野生児の記録 〈3〉 カスパー・ハウザー パウル・ヨハン・アンセルム・リッター・フ

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野生児の記録 〈3〉 カスパー・ハウザー パウル・ヨハン・アンセルム・リッター・フ

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  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784571215032
  • NDC分類 389

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みや

31
生後17年間ずっと幽閉され、1828年に保護された少年の記録。現実とは思えないほど衝撃的な生い立ちに愕然とした。音一つ無い部屋で座ったまま、見えざる飼い主に水とパンのみを与えられてきた少年は、精神・知能・身体全てが未発達。言葉を覚えていくことで自らの生育史を語りだし、美しい星空を見て初めて己が不幸であることを認識して涙を流す姿に、幸福とは、生活とは、存在とは何かを突き付けられた。「幸せになって欲しい」という言葉は、何と身勝手なのだろう。勿論、何一つ明かされることのなかった出生と暗殺の謎にも興味が尽きない。2018/07/20

ruki5894

11
実際の出来事だったのか。映画にもなってるらしいが、知らなかった。謎は謎のままで亡くなったんだね。ナナメ読み。2022/10/08

たけはる

9
小説を書く資料用。カスパー・ハウザーの話は以前ウィキペディアで見かけたことがあるのですが、本だとそれ以上にいろいろ書かれていて新鮮でした。彼は何者だったのか疑問が尽きない。2021/09/14

冬佳彰

8
野生児関係の本は、一時期、集中的に読んだ。その中の一冊が本書だった(ように思う。表紙とかね)。カスパー・ハウザーが厳密に野生児であったのか、ちょっと違うんじゃないか?的なことはあるかもしれない。彼を監禁していた、ある種、(悪い意味での)文明化された環境があったらしいから。しかし、言語獲得後に彼が語った、「未分節な世界イメージ」のような話が頭に残っている。人類でなかったとしたら、そのような「未分節な世界体験」みたいなモノをしなかったのでは?それは人類史のいつから?などと色々夢想したものである。

misui

4
生後17年間の幽閉生活ののち発見されたカスパー・ハウザーの記録。著者はカスパーの身近で観察の機会を得ることができた人物(ただし法学者)で、彼の堰を切ったような発達過程をつぶさに伝えている。いささか性急とはいえ手厚く遇されていたように思うが、自叙伝に着手するという話が出た途端に暗殺されてしまうのはたしかに意味深で、大公の後継者説なども出て現在も謎のままらしい。人の一生が実験動物のレポートになってしまったようで心をざわつかせる。2016/06/01

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