悲しみの精神史

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569619781
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0030

出版社内容情報

日本人の底流に流れる悲しみの旋律を描く

幸福と成功を追い求めることだけが人生なのか? 日本人の底流に流れる悲しみの旋律を描いた渾身の作品。

国際日本文化研究センター所長にして宗教学の権威でもある著者は問う。「幸福と成功を追い求めるだけが人生なのか」と。むしろ著者は「不幸な悲しみに耐えている人間に尊敬を抱く」とも。その問題意識のもと、自らの死を予感していた源実朝、親族を皆殺しにした北条時頼、乞食願望を持ち続けた松尾芭蕉、キリスト教に入信した支倉常長、死んだ妹の魂を追いかけて旅した宮沢賢治、殉死の予行演習をしていた乃木希典、?外晩年の著作に執着した松本清張、死後も自分の欲望を満たそうとした谷崎潤一郎、『黒い雨』に慟哭の通奏低音を挿入した井伏鱒二、上官の罪を背負って処刑された青年学徒などを取り上げつつ、縄文の昔から日本人の底流に流れ続ける「悲しみ」の旋律を描いた渾身の作品。幸福願望ばかりが肥大化する現代において、「孤独とは何か」「人生の無常とは何か」を考えるうえで大切な視点を提示してくれる一冊でもある。

[1]宮沢賢治の挽歌 
[2]寂寥に生きた万葉人 
[3]「もののあわれ」と「もののけ」 
[4]『徒然草』に吹く無常の風 
[5]源義経は祟らず 
[6]天災は忘れたころにやってくる ほか

内容説明

親族を殺した北条時頼、殉死の予行演習をしていた乃木希典、乞食願望を持ち続けた松尾芭蕉、上官の罪を背負った青年学徒、そして『東京だョおっ母さん』のコースを歩いたわが母…日本人の底流に流れる「悲しみ」の旋律を描いた渾身の作品。

目次

宮沢賢治の挽歌
寂寥に生きた万葉人
「もののあわれ」と「もののけ」
『徒然草』に吹く無常の風
源義経は崇らず
天災は忘れたころにやってくる
源実朝がみた「青女」
日本の阿闍世王・北条時頼
能と歌舞伎のドラマツルギー
芭蕉に流れる乞食願望〔ほか〕

著者等紹介

山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年生まれ。東北大学印度哲学科卒業、同大学大学院博士課程単位取得退学。東北大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、白鳳女子短期大学学長、京都造形芸術大学大学院長を経て、現在、国際日本文化研究センター所長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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