若者のすべて―ひきこもり系VSじぶん探し系

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569617183
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

精神科医による渋谷や原宿、池袋の若者フィールドワーク。じぶん探しVSひきこもりという枠組みが画期的な若者論・文化論として結実。

本書は渋谷、原宿、池袋などに集う若者たちを精神科医の著者がインタビューし、分析した若者論。巷にあふれる若者論と一線を画するのは「じぶん探し系」と「ひきこもり系」の二極分化という新しい枠組みだ。例えば渋谷系は、自己像が曖昧なために安定した自己像を求めて過度にコミュニカティブになりがちな「じぶん探し系」。一方、原宿系は自己像が明確なので、あまりコミュニカティブにはならない「ひきこもり系」と分析される。この図式は表現ジャンルにも応用可能だ。じぶん探し系の代表は村上龍、とんねるず、浜崎あゆみ。ひきこもり系の代表は村上春樹、松本人志、宇多田ヒカルなどである。著者自身がひきこもり系なためか、ひきこもり系の創造性が称揚され、次世代の若者モードとして、ひきこもりの適応形態が新しいとされる。読者自身がどちらの系か、また身近な他人がどちらの系かという興味で読んでも面白い。ストリート感あふれる写真も「買い」である。

●第1章 原宿系、渋谷系の若者インタビュー 
●第2章 「じぶん探し」の次の若者モードとして「ひきこもり」の適応形態あたりが新しい? 
●第3章 表現ジャンルにおける「じぶん探し系」VS「ひきこもり系」 
●第4章 若者たちが見る夢のわけのわからなさのすべて 
●第5章 「臨床的つかみ」をめぐって 
●第6章 日本的キャラVS欧米的キャラクター 
●第7章 池袋系の若者インタビュー 
●第8章 「携帯空間」の精神分析 
●第9章 自傷系の若者インタビュー 
●第10章 なぜわれわれは「若者」について語るのか

目次

1章 原宿系、渋谷系の若者インタビュー
2章 「じぶん探し」の次の若者モードとして「ひきこもり」の適応形態あたりが新しい?
3章 表現ジャンルにおける「じぶん探し系」VS「ひきこもり系」
4章 若者たちが見る夢のわけのわからなさのすべて
5章 「臨床的つかみ」をめぐって―「神経症的=索引的つかみ」と「分裂症的=徴候的つかみ」
6章 日本的キャラVS欧米的キャラクター―ピカチュウあるいはキャラ化された精神分析的基体
7章 池袋系の若者インタビュー―「地元つながり」の若者たち
8章 「携帯空間」の精神分析
9章 自傷系の若者インタビュー
10章 なぜわれわれは「若者」について語るのか

著者等紹介

斎藤環[サイトウタマキ]
1961年生まれ。岩手県出身。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。現在は、爽風会佐々木病院に勤務。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学、ラカンの精神分析、「ひきこもり」問題の治療ならびに啓蒙活動。映画、音楽、マンガなどサブカルチャー全般を愛好
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tjZero

2
精神科医の著者は、”「若者」という不断に生成し続けるイメージに触れることは、精神分析的な認識を深めてくれる”と書く(P.235)。本書は、ひきこもり系、じぶん探し系、自傷系…といったキーワードをとっかかりに、21世紀の若者像を分析している。20年前の作品だが、ここで分析された若者たちが、現在社会の中核として機能しているとすれば、世の中を見通す手引きとして依然として有効。2021/01/12

stafy77

1
自分が若者?だった頃に書かれた若者についての話。実際のインタビューを元に渋谷系、原宿系…引きこもり系、自分探し系など象徴的な言葉でそれ以前の世代との違いを浮き彫りにする。自分はどこにいた(いる?)んだろう。2013/09/26

しむ

1
図書館でふと手にとって読んでみた。何年も前の若者を取り上げているので多少ジェネレーションギャップはあるけれど、どこか通じるものがあり読んでいておもしろかった。自分はどっちだろう。お笑いだと、とんねるずよりダウンタウンの方が断然好きだけど。2012/12/10

D.N

1
面白い分類だけど疑問点も当然ある それはどうして二分されるのかということ まあ、斎藤さんのスタイルを考えるとそれに答えるつもりはないのだろうけど2009/10/08

ケー

0
図書館に置いてあったのでさらーっと読みました。出版年が少し古いのでその時代の若者論という感じで読みました。2012/02/25

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