出版社内容情報
マキアヴェリ、シェイクスピアから司馬遼太郎、星新一まで、ずばり名著の読みどころだけを要約。人と世の心得を知る画期的な読書案内。
内容説明
マキアヴェリ、シェイクスピアから司馬遼太郎、星新一まで、当代きっての読書人・谷沢永一が「読んで面白かった」という基準だけで選び出した四十冊。本書ではそのエッセンスを凝縮して紹介する。「この一冊さえ読めば、四十冊を改めてお読みになる必要はありません」と著者自ら太鼓判を押す、忙しい人にも怠け者にもぴったりの画期的な読書案内。
目次
人の世に生きる道―『論語の新研究』宮崎市定著
人間性の正味を観る―『お菓子と麦酒』サマセット・モーム著
日本人社会の原理―『「空気」の研究』山本七平著
情念のメカニズム―『新訳イソップ寓話集』塚崎幹夫訳
思想も文芸も自己顕示である―『インテレクチュアルズ』ポール・ジョンソン著・別宮貞徳訳
戦わずして勝つべし―『孫子』浅野裕一編訳
人間情念の動機を探る―『ラ・ロシュフコー箴言集』二宮フサ訳
思想を分析する方法―『先哲の学問』内藤湖南著
人物を見きわめる視線―『人物評伝』ケインズ著
可愛気の必要―『新史太閤記』（上下）司馬遼太郎著〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
62
本書は読書への勧誘ではなく伝達である為、読者は改めて著者が採択した本を読む必要は特になく、ここに要約したものを一瞥するだけでも良いと言う。そう言われると読みたくなる。2018/11/05
カブトムシ
22
谷沢永一さんの「人間通」がヒットして、ベストセラーになって、出版社の意向で、このような本が何冊か出版されたのです。「論語の新研究」「新訳イソップ寓話集」「孫子」「ラ・ロシュフコー箴言集」「新史太閤記(上下)」「腐敗の時代」「人を動かす」「カール・マルクス」「君主論」「ジュリアス・シーザー」「孟子」「国富論」「ボッコちゃん」などなど、４０冊のエッセンスが語られています。知識階級ではない家庭に育ち、何代遡っても学者はいない家柄だそうです。正に「氏より育ち」と言えますね。東京大学ではなく、関西大学のご出身です。
カブトムシ
20
マキアヴｪリ、シェイクスピアから司馬遼太郎、星新一まで、読書人谷沢永一が４０冊選んだ読書案内です。私は、『ラ・ロシュフコー箴言集』を彼に教わった訳です。本を購入して、長年愛読しました。そのキーワードはフランス語のL’amour-propre 訳して「自己愛」です。１７世紀のフランスの貴族、ラ・ロシュフコーは、人間性への洞察を可能な限り短く要約する箴言形式の究極を提示しました。デール・カーネギーの『人を動かす』やマキアヴｪリの『君主論』なども選ばれています。『論語』や『孫子』なども、適切に解説されています。
Sachi
9
編集者と著者との雑談を読んで、ちょっと笑えてよかった。文体が初めはとっつきにくいかと感じていたのが、途中から慣れてきて心地よくなってきます。本の中心部分はここですよと著者の考える所を凝縮して書かれているので書評というより、著者の思考と作家の思考を追体験するような、ちょっと自分が賢くなった気になれる本で面白かった（賢くなったわけではない･･･）興味を持った本は、チェスタトンのブラウン神父ｼﾘｰｽﾞや、高木 彬光 の白昼の死角。ラクロの危険な関係など。 孟子は今や無価値とばっさりなのも読んでて面白かった。 2019/07/18
koishikawa85
6
久しぶりの谷沢節。やっぱり面白い。妙な構成だなあと思ったら、原稿用紙3枚しかない本文に追記をしたからこういう形になったらしい。2022/01/20
