出版社内容情報
アーサー王物語を含む、ウェールズの神話、伝承がおさめられた古典物語集であるマビノギオンをウェールズ語原典から翻訳。詳細な註解と解説を加え、中世ウェールズの思索と世界観を浮き彫りにする。
内容説明
世界最古のアーサー王物語から始まる中世ウェールズの伝承を原典から翻訳。冒険と魔法のファンタジー文学のルーツに詳細な註解と解説を加え、中世ウェールズの思索と世界観を第一人者が浮き彫りにする。
目次
キルフーフがオルウェンを手に入れたる次第
マビノギの四つの枝
スリーズとスレヴェリスの冒険
ローマ皇帝マクセン公の夢
三つのロマンス
フロナブウィの夢
タリエシン物語
解説 マビノギオンについて
著者等紹介
森野聡子[モリノサトコ]
静岡大学学術院情報学領域教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程前期修了(文学修士)。ウェールズ大学アバリストウィス校(現アバリストウィス大学)博士課程にてウェールズ語・アイルランド語を学び、1989年、日本人として初めてケルト研究で博士号を取得(Ph.D in Celtic Studies,University of Wales)。専門はウェールズ語・ウェールズ文学。ウェールズを中心に、ケルト諸語地域における民族意識形成について研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りー
25
げっそり。なんとか読みました。マビノギ四枝の他に、「キルフーフがオルウェンを手に入れたる次第」「スリーズとスレヴェリスの冒険」「ローマ皇帝マクセン公の夢」「3つのロマンス」「フロナブウィの夢」「タリエシンの物語」を収録。人名の列挙だけで丸2ページ、唐突に詩が挿入されたり、突然主役級で登場するキャラがいたり…興味深いけれど読みにくいこと!その後の騎士物語になると、一騎討ちと美女と料理の大盤振る舞いでお腹いっぱい。原典濃いわぁ…と思いながら寝落ちを繰り返しました。シャーロット版に挑戦するか、悩みます(*_*;2022/01/15
木倉兵馬
2
ウェールズの口承叙事詩などを文字に起こし、さらに日本語に訳した一冊。ウェールズ独自の英雄譚だけでなく、ブリテン島や西欧で語り継がれる国際的な存在、アーサー王の物語も収められています。もっともアーサー王みずからは活躍せず、ランスロットはまだ登場人物として入れられていない時代に作られた物語であり、アーサー王の騎士としてはベディヴィエールやケイ(原典はウェールズ語なので別の表記ですが)が多く登場するなど今広く知られているものとはちょっとだけ違ってたりしますね。2021/11/07
ihatov1001
0
中世のウェールズ語写本より収集した物語集及びそれら物語に関する綿密な解説集です。主に伝説の王アーサー王とその家来たちの活躍が綴られています。中世の香り高い一大抒情詩です。2021/06/10