出版社内容情報
『存在と時間』を読解する!
デリダとハイデガーとの関係は、デリダ思想の解明には最も重要な鍵だ。本書は、デリダが高等師範学校ユルム校で最初に行なった講義録である。
ハイデガーの『存在と時間』を、デリダ自身が翻訳し、読解する──
「歴史」を揺るがした全9回の連続講義が行なわれたのは1964年。デリダが、フッサールの『幾何学の起源』の仏訳および序説(61年)や「力と意味」「暴力と形而上学」など注目すべき論考を公表しはじめていた時期であり、脱構築の思想家となる、まさに前夜の時期にあたる。
『グラマトロジーについて』(67年)や『哲学の余白』(72年)で読める初期デリダのハイデガー論は断片的だったが、この講義録は、非常に明快で一貫した論理のもとに、当時のデリダが、いかにハイデガーとともに思考し、いかにハイデガーに対する問いを提起したかを教えてくれる。存在論的差異への注目や、現前の形而上学と時間の問題、歴史概念をめぐるヘーゲルやフッサールとの対決など興味深い議論も数多く展開されている。
デリダ直筆原稿16頁カラー口絵のほか、巻末には索引も収録。
内容説明
隠喩としての建築(形而上学)の言語は、どのように脱構築してゆくべきか?ヘーゲルやフッサールとの対比において問いかけながら、ハイデガーの『存在と時間』を、デリダ自身が翻訳し、読解する―「歴史」を揺るがした全9回の連続講義!自筆原稿16頁カラー口絵+索引収録。
目次
第1回 1964年11月16日
第2回 1964年11月30日
第3回 1964年12月17日
第4回 1965年1月11日
第5回 1965年1月25日
第6回 1965年2月8日
第7回 1965年2月22日
第8回 1965年3月15日
第9回 1965年3月29日
著者等紹介
亀井大輔[カメイダイスケ]
1973年生まれ。立命館大学文学部教授。立命館大学大学院文学研究科西洋哲学専攻博士後期課程修了。哲学専攻
加藤恵介[カトウケイスケ]
1958年生まれ。関西国際大学現代社会学部教授。京都大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得退学。哲学専攻
長坂真澄[ナガサカマスミ]
1976年生まれ。早稲田大学国際教養学部准教授。京都大学大学院文学研究科宗教学専攻博士後期課程研究指導認定退学。トゥールーズ第二大学大学院Allph@(芸術・文学・言語・哲学・伝達)/ERRaPhiS(哲学的理性と知の研究)博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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