出版社内容情報
おもに十三~十四世紀のフランスを中心とするヨーロッパ中世期の人びとの生活を、衣服、食事、住居といった生活の具体的な側面に光をあてて描き、彼らがその誕生から死にいたるあいだ、物質的な貧しさと宗教的な安らぎのうちにどのような生涯を送ったかを浮き彫りにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S.Mori
24
良書。馴染みのない中世のヨーロッパの生活が分かりやすく丁寧に書かれています。平均寿命が30歳という記述に胸を突かれました。そんな年で死ぬのだったら、今の人間とは生きることに対する心構えが違ってくるのではないかと思います。中世の人たちが病気の人を大切にしたことに心を打たれました。これはキリスト教の良い影響です。病気で苦しむ人達を十字架上で苦しむイエス・キリストに重ねたそうです。診療代が病人の財力によって決められたそうで、うらやましい気がします。暗黒の中世ではなく、現代社会の土台が作られた時代でした。2020/08/03
おらひらお
4
1975年初版。中世ヨーロッパの生活の様子がわかりやすく概観された一冊です。もともとは1944年刊行ですが、そこまでの古さを感じさせない内容でした。2022/01/16
本とフルート
4
異世界の設定の基礎とされることも多い、中世ヨーロッパの生活を一部分だが知ることができた。今では考えられない習慣もある一方、意外と現在に通じることも多く、興味深い。2020/08/27
Baron
4
中世ヨーロッパの人々の生活内容を淡々と簡潔に紹介されている。 非常にコンパクトに纏まっており、内容も充実しているいい本だと思う。 確かに昔の人々は災害や疫病に対してあまりにも無力であり、だからこそ宗教を生み出したのであろうが、それでも昔の人々の生活模様を知るにつれてどこかのんびりしているという感じを受ける。 内容は充実しているのだが、イラストや図版などが掲載されていないのが多少残念ではある。 2014/06/18
ケルトリ
3
中世ヨーロッパシリーズその1。創作者必見の1冊と言われてるシリーズ第一段。もちろん「じゃがいもはなかった」って話も書かれている。暗黒時代って感じの表現はほとんどなくて、結構幸せそうな感じの生活の様子が書かれていて面白い。2022/05/05