出版社内容情報
西洋音楽を支えてきた和声、特に調性の崩壊は、今日大きな問題となっている。著者は、この事実をふまえながら和声の根本に立ち戻り、各時代におけるその特色と変遷、その発展関係(ポリフォニー、前調性音楽、調性音楽、旋法主義と半音階主義)を克明にたどりつつ、和声の本質的な姿を究明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma_non_troppo
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「音楽とは、音響体と結びついた精神的映像の体系であり、響きの点でも構造の点でも、つねにより豊かで複雑な意味と組織とをもちうる体系なのだ」クラシック音楽を目的的に聴きはじめて2年半が経過した。そのあいだ「楽典」やら音楽関係の本を読み漁り、基礎体力をつけ、そろそろいけるかなと乗り込んでみた。難解だった。外国語の学習をしているときのような感覚にさえおちいった。すべてを理解するのは到底無理だ。でも少なくともこれを読まなければ、現段階でムソルグスキー「展覧会の絵」の素晴らしさに気づくことはなかったとつくづく感じる。2012/08/12
TackM
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クラシックに関わる人は必読。2010/05/22