出版社内容情報
『ドンキホーテ』に象徴される忠誠、武勇、礼節、名誉、婦人への敬愛といった騎士道も、じつはあまり知られていない。本書は中世ヨーロッパの精神的規範となった騎士道について、その起源から現在まで、さまざまな変身をとげながらも根強く生き延びている姿を、多彩な筆致で要領よくまとめあげた好著である。
感想・レビュー
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タイトルは「騎士道」とされているが、訳者前書きにあるとおりLa Chevalerieの訳語であり、シュヴァルリー=騎士道、騎士制度、の歴史を概観する本。その「誕生」を一般的に誤解されやすいローマのエクィテスではなくゲルマン戦士階級の成人の儀式に求め、彼らがキリスト教化されて騎士となり「騎士道」が成立する。それが時と共にいかに変容していき、衰えていくかを主に書いている。儀式の様態や騎士の装備、騎士道精神とは如何やなどといった話は極力簡潔に書かれているので、そういったものを期待するなら他をあたるべき。2011/06/21
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- 和書
- 法における常識 岩波文庫