出版社内容情報
趣味に忙しい母、リストラ担当の息子、カルチャースクールの教師で母の恋人。この三人に、人生を正直に生きようとする下町の元気な人々が加わり、本音で会話する永井愛の最新作。
内容説明
知っているはずの人間とあらためて出会う。読売文学賞作家による、味わいぶかい疑似家庭劇。
著者等紹介
永井愛[ナガイアイ]
1951年東京生まれ。桐朋学園大学演劇専攻科卒。二兎社主宰。主要著書に「カズオ」「時の物置」「パパのデモクラシー」ほか
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感想・レビュー
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やまねっと
8
熟年の独り身同士の恋愛を中心に描かれた戯曲。発売されて20年経つが、全然古くない。とても良い物語でじーんと心打ち震えた。 福江は愛に溢れた人だと思った。外国人に部屋を貸し、ボランティア団体に所属しバイタリティ溢れる人だ。 息子はリストラ執行人で、後にリストラされ離婚に向けて話が終わる。現実感はなかったけど、物語上必要な駒だった。 熟年離婚や熟年結婚はもはや社会問題ではない。そう思えた。 そうある私も中年だがまだまだ恋をしたいし、トキメキたい。そう、熟年恋愛は他人事でなく自分事なのだ。 舞台で見たかった。2023/05/24
気球
1
みんな愛嬌があって可愛らしい。年を重ねて人と関わっていく楽しさ。これ舞台だったらやっぱり大笑いしてしまうだろうな。でも大切な台詞がたくさんあって、しみます。2015/10/17
たっつぁん
1
息子から父へ、息子から母へって部分の描写が凄く良かった。あと群像劇ではないのに登場人物に無駄がないというか、いらない人がいないのも凄く作品としてレベルが高い。2012/08/12