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運命論者ジャックとその主人

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560027585
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

人間は誰しも、次の瞬間にはどちらに転ぶとも知れない曖昧で危機的な生を生きていくしかない。この酷薄きわまりない世界認識を、一片の悲哀を混じえることなく、ひたすら快活な笑いをもって描ききったところに、この傑作の真骨頂がある。破天荒なストーリー展開・脱線につぐ脱線のメタフィクション。クンデラやブレッソンを魅了した18世紀の小説が新訳でよみがえる。

著者等紹介

ディドロ,ドニ[ディドロ,ドニ][Diderot,Denis]
1713‐1784。フランス十八世紀の啓蒙の時代を代表する哲学者。『百科全書』の刊行に尽力したほか、自然学、演劇改革、美術批評、政治論、そしてフィクションの創作など、多様なジャンルでヨーロッパの思想・文化に巨大な足跡を残す

王寺賢太[オウジケンタ]
1970年生。東京大学大学院博士課程満期退学。京都大学人文科学研究所助教授。フランス文学・思想専攻

田口卓臣[タグチタクミ]
1973年生。東京大学大学院博士課程満期退学。日本大学・城西国際大学非常勤講師。フランス文学・思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

96
物語の語り手の話と、主人とジャックのやり取りをはさんだ、愉快な二人の旅の話。二人は飄々として愉快なのだが、話はなかなか残酷な場面も混じる。とにかく最初から、主人はジャックの恋の話を聞きたいのだが、話すジャックの語りはいつも違う方向にいってしまって…。18世紀にヨーロッパの王侯貴族を中心に回覧された雑誌において、1776年から1780年に連載された作品。ドンキホーテよりは150年以上後だが、こういう主従の旅の話は人気が高かったのかもしれない。2015/11/24

NAO

58
脱線に次ぐ脱線。痛烈な風刺。話がどこまでも逸れていき、著者までが作品の中に介入してくるという型破りな構成。読みやすいというのと理解しやすいというのとは実は違うということを痛感した作品。苦笑いの連続で、先に感想をあげられている方々のような面白さを感じることはできないままに読了。2018/06/17

zirou1984

48
『ドン・キホーテ』のフランス流換骨奪胎、もしくは『トリストラム・シャンディ』に対する啓蒙主義からの回答。語られるべき会話は脱線し、名もなき主人とルソーと同名の従者ジャックの関係性は反転に反転を重ね続ける。著者は何度も顔を出しては茶々を入れ、想像と実在の人物を入れ混ぜる。個々の挿話は残酷ながらも笑い飛ばされ、全ては天上にそう書かれているからと信仰とも諦観ともつかぬ決め台詞で煙に巻く。流暢な翻訳とよしながふみの表紙絵は、本書のもつ諧謔さを的確に表している。人生に本筋なんてあると思うなよ。一期は夢さ、ただ笑え。2014/12/07

紅はこべ

25
よしながふみさんのカバー絵が素敵。内容もしゃれている。この時代のフランス文学、いいよね。2012/11/25

Ryuko

24
よしながふみさんのカバーイラストに魅かれて。ベッドに腰かけスカートをまくり上げられたご婦人とひざまずく男性。何やら艶っぽい感じなのだけれど、読了すると、表紙はこのシーンしかないなと思う。靴下留めって言葉も素敵だ。ジャックとその主人およびその他の人が、語る物語なのだけど、語り口に惹き込まれる。宗教、思想、哲学を含む当時の風俗も入れ込まれ、訳注も充実しているがこの辺は斜め読み。話があっちこっちに飛び、落ち着かない感じに翻弄されながらもジャックとその主人に魅了され一気に読了。2019/09/13

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