内容説明
熊楠が必死に守った伝説の島から、森の原形、先人の知恵が見えてくる。熊楠が最後に残した原始の森「神島」。その後の厳重な保護にもかかわらず、わずか半世紀で大きく変貌した謎に迫る。
目次
1 いのちの森を守る熊楠の闘い(魚つき林とは何か;明治の神殺し、神社合祀;熊楠と神の森、神島)
2 熊楠から半世紀―神島の変貌(神島と照葉樹林;森の原形を探る;神の森はなぜ激変したのか;神島の森を特徴づける植物たち)
3 予期せぬ異変―ウ糞害との闘い(ウの大群の襲来;大量の糞で島はどうなったか;かすかな光明―自然の自己回復力;ほかの島でも深刻な糞害)
4 台風で壊滅した神島―真因を探る(一度の台風で甚大な被害;台風被害を拡大させた条件;過ちを繰り返さないために)
著者等紹介
後藤伸[ゴトウシン]
1929年、和歌山県生まれ。和歌山大学教育学部卒。中学・高校教諭を経て、田辺市文化財審議会委員長、南方熊楠邸保全顕彰会常任委員など歴任。紀伊半島南部の生態系の解明と保全に尽力し、熊楠の膨大な生物標本も整理・復元した。2003年没(享年73歳)。同年、第13回南方熊楠賞特別賞受賞
玉井済夫[タマイスミオ]
1938年、和歌山県生まれ。東京教育大学理学部大学院修士課程修了。高校教諭を経て、現在、熊野の森ネットワークいちいがしの会副会長、田辺市文化財審議会委員、公益財団法人天神崎の自然を大切にする会理事など兼任。両生類、は虫類の研究を続けながら、大塔山系、神島、天神崎の調査・保全に尽力
中瀬喜陽[ナカセヒサハル]
1933年、和歌山県生まれ。東洋大学文学部卒業。高校教諭を経て、現在、田辺市文化財審議会委員長、南方熊楠顕彰館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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