百の知恵双書
日本人の住まい―生きる場のかたちとその変遷

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  • サイズ B5判/ページ数 170p/高さ 25cm
  • 商品コード 9784540040818
  • NDC分類 383.9
  • Cコード C0339

内容説明

日本人の住まいのかたちは、どのようにして形成されてきたのだろう。それは日本各地の暮らし方や生産のあり方、家族のかたちの変遷とどのように結びついてきたのだろうか。たとえば土間の広い家と狭い家があるのはなぜか。仏壇は住まいのかたちにどのような影響を与えたか。土間の家と高床の高はどのようにして結びついていったのか。カマドとイロリは炊事法や家の構造とともにどう変遷したのか。庶民の住まいに便所や風呂ができるのはいつごろからか。広範な全国に及ぶフィールドワークの見聞と体験を通して日本の民家を庶民の「生きる場」という視点から見続けた宮本常一の刺激的な民家論。

目次

第1部 日本人の住まいはどのように変わってきたか(土間住まいと床住まい;土間と床の結婚;草葺き屋根と板葺き屋根;瓦屋根の出現;門と垣の発達 ほか)
第2部 暮らしのかたちと住まいのかたち(能登の旧家―能登の旧家は大きい。どうして大きな家におおぜいで住んだのだろう;土間の広い家―東日本に多かった土間の広い民家。こうした家はどのような使われ方をしていたのだろう;土間住まい―土間に筵を敷いて暮らす土間住まい。土間住まいの名残は近年まで民家に残っていた;土間の狭い家―土間の狭い家も日本各地にあった。そこではどのような暮らしが営まれていたのだろう;二つの家―土間の家と高床の家。二つの家が結びつくと土間も床もある家になる ほか)

著者等紹介

宮本常一[ミヤモトツネイチ]
1907(明治40)年、山口県周防大島生まれ。民俗学者。1927(昭和2)年、天王寺師範学校卒業後、小学校教師を経て、1939(昭和14)年、渋沢敬三に師事し、アチックミューゼアム研究員として全国の民俗調査に従事。1965(昭和40)年、武蔵野美術大学教授。1966(昭和41)年、日本観光文化研究所所長。1981(昭和56)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きいち

30
床の家と土間の家、その二棟が合わさった家。宮本の目は、そんな目に見える形と一緒に、家の中で行われた農作業の内容や家族それぞれの居場所といった暮らしぶりそのものへと向かう。緻密な観察をその場で解決してしまおうとはせず、疑問は疑問として抱いたまま、解き明かしてくれるかもしれない次の観察へと向かっていくのだ。おそらくは書きながらの考察、その過程そのものが貴い。◇見逃せない、社会そのものからの家づくりの身分による制限。生きにくい世。◇68年、共同通信の連載と、おそらく「日本民衆史」の一冊として書かれた未発表原稿。2017/10/21

Akihiro Nishio

19
宮本常一の未発表「民家論」がついに出版化されたもの。いつものようにため息が出るほどの観察と考察である。様々な家の形を、気候や信仰、その家や村の産業、藩政時代の規制から読み解いていく。特に土間に関する考察と、竈と囲炉裏に関する考察が深く、面白かった。もはやこうした民家を見て回るというのが無理だが、こうしたスピリットを受け継ぎたい。2016/11/19

tkm66

0
資料2007/10/16

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