内容説明
シェイクスピアの劇の中の庶民的人物群に焦点を当て、劇全体を見直し、シェイクスピアへの親しみやすいアプローチを試みる。主要な作品34編を取り上げ、主人公を支えるそれぞれの忘れられない端役たちを、著者自身の目で浮き彫りにする。
目次
ジャンヌ・ダルクの父『ヘンリー6世』第1部
シンコックス『ヘンリー6世』第2部
悲しむ父子『ヘンリー6世』第3部
代書人『リチャード3世』
ドクター・ピンチ『間違いの喜劇』
鳩を持った男『タイタス・アンドロニカス』
鋳掛け屋スライ『じゃじゃ馬ならし』
宿屋の亭主『ヴェローナの二紳士』
ジャケネッタ『恋の骨折り損』
ヒューバート『ジョン王』〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
viola
7
シェイクスピアの戯曲37作品を取り上げ、その作品に登場する端役の庶民について言及するエッセイのようなもの。端役の庶民まで、いえ、ひょっとしたら主要登場人物よりも?人間味を帯びているため、こういう本が成り立ってしまう。そんなシェイクスピアを心底愛しています。もともとはBBCドラマに誘発されて書き出したものらしく、BBCドラマが観たくなり、またさらにあの戯曲も、あの作品も、と読みたくなってしまう始末。薬屋や門番、ジェシカなどの定番も抑えつつ、後のものは比較的珍しい人物にスポットを当てていて面白い!2012/07/25