MATLABによる 制御工学

個数:

MATLABによる 制御工学

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月25日 23時46分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ A5判/ページ数 245p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784501319908
  • NDC分類 548.3
  • Cコード C3055

出版社内容情報

  制御工学は,機械系,電気系,化学系,情報系,そして数理系などさまざまな学科で講義されている非常に横断的な学問分野である。そのため,これまでに制御工学に関するさまざまなテキストが出版されている。このような状況にも関わらず本書を執筆した理由は,以下の通りである。(1)できるだけわかりやすい制御工学の入門書を執筆したかった。(2)制御理論の最先端との関連性についても少し触れておきたかった。(3)グラフを多用することにより,直観的な理解の助けとしたかった。(4)読者自身がグラフなどを作成して,自分自身の手を使って制御理論を理解してほしかった。 まず,(1)の要件を実現するために,本書の守備範囲をいわゆる古典制御のみとした。本を執筆していると,あれも書きたい,これも書きたいという状況に陥ってしまいがちだが,制御工学の入門を意識して,できるだけ贅肉をカットした。たとえば,制御工学の歴史,制御工学の応用例等については全く記述しなかった。したがって,本書だけ読めば制御工学すべてが理解できるという訳でないことをあらかじめお断りしておく。 つぎに,2に関しては,最近のロバスト制御の基礎となるΗ∞ ノルム,スモールゲイン定理,内部安定性,そして感度関数などについて,古典制御の範囲内で平易に導入することを試みた。 3, 4に関しては,本書の書名からも明らかなように,本書では制御系設計ソフトウェアであるMATLAB を利用した。MATLAB を利用することにより,自分自身で時間応答波形,周波数応答波形を手軽に作図でき,また制御系設計を行う際にも MATLAB は強力なツールになる。制御工学に関する従来のテキストの多くでは,理論については非常に詳しく記述されているのだが,理論の直観的あるいは視覚的なイメージを与えるところまで手が回っていないものが多かったように思われる。制御工学を学んでいく上で,理論と並行して実際のグラフなどを眺めることが重要だと考え,MATLAB を利用した。なお,MATLAB の利用を前提に本書を執筆したが,もちろん MATLAB が利用できない読者に対しても,制御工学の入門書として利用できるように配慮したつもりである。 本書は,著者が勤務している宇都宮大学工学部電気電子工学科で 1990 年から3年生を対象として講義している「制御工学 I, II」の講義ノートをもとにまとめたものである。講義を始めた最初の数年間は樋口龍雄先生の「自動制御理論」(森北出版,1989)を教科書として使わせていただいた。そのため,この本の影響を大きく受けたことをここに記しておく。また,著者は電気系の学科に属しているため,本書の例題には電気回路が多く登場することもあらかじめお断りしておく。基本的に本書は3年生の制御工学,制御理論のテキストとして執筆されている。 制御理論は非常に奥深い学問であり,著者がその全貌を語れるような生半可な相手ではない。したがって,本書には著者の思い違いなどによる誤りが多々存在するかも知れない。それはすべて著者の力のなさによるものであり,ご指摘頂ければ幸いである。 本書をまとめるにあたりさまざまな方のお世話になったが,その中でも,日頃から制御理論に関して議論していただいている慶應義塾大学佐野 昭教授,大森浩充助教授に深謝する。また,本書の例題の作成等でご協力いただいた宇都宮大学足立研究室の諸君に感謝する。最後に,本書の発行に際してさまざまな点でお世話になった東京電機大学出版局の植村八潮氏に感謝する。
1999年初春                               
宇都宮にて 足立 修一

1 制御系設計とは
1.1 制御系設計の手順
1.2 本書の構成
1.3 本書の特徴

2 複素数とラプラス変換
2.1 複素数
2.2 ラプラス変換
  2.2.1 ラプラス変換の定義と性質
  2.2.2 部分分数展開を用いたラプラス逆変換の計算法
演習問題

3 線形時不変システムの表現
3.1 重ね合せの理と線形性
3.2 ステップ応答とインパルス応答
3.3 微分方程式によるLTIシステムの表現
演習問題

4 伝達関数
4.1 伝達関数とは
4.2 基本要素の伝達関数
   4.2.1 比例要素
   4.2.2 微分要素
   4.2.3 積分要素
   4.2.4 1次遅れ要素
   4.2.5 1次進み要素
   4.2.6 2次遅れ要素
   4.2.7 むだ時間要素
4.3 ブロック線図
   4.3.1 直列接続
   4.3.2 並列接続
   4.3.3 フィードバック接続
   4.3.4 基本演算素子を用いたブロック線図
演習問題

5 周波数伝達関数
5.1 周波数伝達関数とは
5.2 周波数伝達関数の表現
   5.2.1 ボード線図
   5.2.2 ナイキスト線図
5.3 基本要素の周波数伝達関数
   5.3.1 比例要素
   5.3.2 微分要素
   5.3.3 積分要素
   5.3.4 1次遅れ要素
   5.3.5 1次進み要素
   5.3.6 2次遅れ要素
   5.3.7 むだ時間要素
5.4 最小位相系とボードの定理
5.5 周波数応答法
5.6 システムのノルム
演習問題

6 状態空間表現
6.1 LTIシステムの状態空間表現
6.2 状態方程式の回路表現
6.3 状態空間表現と伝達関数の関係
6.4 代数的に等価なシステム
6.5 状態方程式の解
演習問題

7 フィードバック制御系
7.1 フィードバック制御系の構成
7.2 フィードバック制御の目的
   7.2.1 閉ループシステムの安定化
   7.2.2 目標値追従特性
   7.2.3 外乱抑制特性
   7.2.4 制御対象の特性変化に対するロバスト性
演習問題

8 制御系の安定性
8.1 LTIシステムの安定性
   8.1.1 インパルス応答表現の場合
   8.1.2 伝達関数表現の場合
   8.1.3 状態空間表現の場合
8.2 フィードバックシステムの安定性
8.3 ナイキストの安定判別法
   8.3.1 開ループシステムが安定の場合
   8.3.2 開ループシステムが不安定の場合
8.4 内部安定性
8.5 安定余裕
演習問題

9 制御系の過渡特性
9.1 時間領域における過渡特性の評価
9.2 s領域における過渡特性の評価
  9.2.1 極の配置と過渡特性の評価
   9.2.2 零点の配置と過渡特性の関係
9.3 周波数領域における過渡特性の評価
9.4 ニコルス線図
9.5 根軌跡
   9.5.1 根軌跡とは
   9.5.2 根軌跡の描き方
9.6 まとめ
演習問題

10 制御系の定常特性
10.1 目標値に対する定常特性
10.2 外乱に対する定常特性
10.3 内部モデル原理
演習問題

11 制御系設計仕様
11.1 開ループ特性に対する設計仕様
11.2 閉ループ特性の対する設計仕様
  11.2.1 減衰性
   11.2.2 速応性
   11.2.3 減衰性と速応性
11.3 まとめ
演習問題

12 古典制御理論による制御系設計
12.1 直列補償
   12.1.1 ゲイン補償
   12.1.2 位相遅れ補償
   12.1.3 位相進み補償
   12.1.4 位相進み遅れ補償
12.2 ループ整形法による周波数領域における制御系設計
12.3 PID補償器
   12.3.1 PID補償器の構造
   12.3.2 PID補償器の設計法
12.4 フィードバック補償
   12.4.1 速度フィードバックへ
   12.4.2 I-PD制御
12.5 古典制御から現在制御へ
演習問題

付録A 演習問題の略解

付録B 参考文献

索引

目次

1 制御系設計とは
2 複素数とラプラス変換
3 線形時不変システムの表現
4 伝達関数
5 周波数伝達関数
6 状態空間表現
7 フィードバック制御系
8 制御系の安定性
9 制御系の過渡特性
10 制御系の定常特性
11 制御系設計仕様
12 古典制御理論による制御系設計