内容説明
まよなかに新潟をしゅっぱつしたディーゼルきかんしゃのデーデたち。あめがゆきにかわって、どんどんふりつけてきます。ぶじに福島の郡山にたどりつけるでしょうか…。
著者等紹介
すとうあさえ[ストウアサエ]
1953年、東京に生まれる。お茶の水女子大学卒業後、幼児番組の制作を経て絵本の世界に入る。「子どもと楽しむ行事とあそびのえほん」(のら書店)で産経児童出版文化賞(ニッポン放送賞)受賞
鈴木まもる[スズキマモル]
1952年、東京に生まれる。東京芸術大学中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)で赤い鳥さし絵賞。「ぼくの鳥の巣絵日記」(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡部敬史/おかべたかし
123
東日本大震災のとき被災地に燃料を運ぶために各地で半ば隠居生活をしていたディーゼル機関車が集結て働いたという実話をもとにした絵本。子どもに震災のことを伝えるのにも素晴らしい一冊。鈴木まもるさんの絵も素晴らしいな。人の心を動かすのは、いつの時代も「逸話」なのだなと改めて思いました。2021/03/17
ぶち
105
岡部敬史(おかべたかし)さんご紹介の絵本。 東日本大震災のあの日、被災地から離れたところにいた私でも、背筋が凍るような思いをしました。未曾有の混乱の中で、状況を改善しようと一生懸命に働いた人たちがたくさんいました。このデーデの物語もその一つです。でも、私はこんなことが実際にあったとはまったく知りませんでした。読み始めてからずっと目頭が熱くなって、"がんばろう東北"と書かれたトレインマークを付けたデーデが走る姿を見たときには涙が流れていました。この絵本は多くの子供たち読んでほしいです。2021/03/19
miww
61
東日本大震災の際、日本中から集まったディーゼル機関車が被災地まで燃料を運び続けた。デーデ、ゴク、そしてイト。雪と線路のサビに行手を阻まれながら使命を全うする姿が描かれています。「物が届くことは当たり前。私たちは縁の下の力持ちなんです」あとがきの言葉がしみる。どんな時でも自分の仕事をする。苦しい時こそ多くの人に支えられているのですね。震災当時こんな出来事があった事は知りませんでした。鈴木まもるさんの絵も暖かくて素晴らしい。出会えてよかった、たくさんの方に知ってもらいたい絵本です。2021/03/25
鴨ミール
33
子どもも大きくなり、鈴木まもるさんの絵を久々に見たなぁと思った。震災の時に人々が知恵を振り絞り、現在はあまり使われていないがこういうときだから役に立つのでは?と使われることになった重機、水陸両用のブルドーザー、スイブルの絵本を思い出した。小学校で読むには、音を表現するのも難しいし、地震にトラウマになっている子どももいるかもしれないので、ブックトークに留めたいが、ぜひ紹介したい一冊。2019/01/16
anne@灯れ松明の火
26
出版社SNSで、3.11の実話をもとにつくられたと知り、予約。ディーゼル機関車は、軽油で動く大きなエンジンを持っているので、電気がなくても走れる。しかし、だんだん活躍の場は減っていた。そんな時、東日本大震災が発生。東北に石油や灯油を届けるために、ディーゼル機関車が活躍したそうだ。そんな様子を機関車を擬人化して描いたのがこの作品。すとうさん、楽しい紙芝居をよく使わせてもらっているが、こういう作品もあるんだ。鈴木まもるさんの絵も素晴らしい。あれから12年。絵本を通して、忘れない気持ちを持ち続けられるのはいい。2023/03/11