創元ノヴェルズ<br> フィーヴァードリーム〈下〉

創元ノヴェルズ
フィーヴァードリーム〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784488800468
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ジョシュアの目的はただひとつ。吸血鬼一族を呪われた血の渇きから解放し、人間と共存すること。蒸気船を造らせたのも、ミシシッピ川沿岸に散った同胞を集めるためだ。だがいまひとりの血の支配者、邪悪の化身にして一族の王たらんとするダモン・ジュリアンが、配下とともにフィーヴァードリーム号に迫りつつあった。はたして、吸血鬼一族に救世主は現われるか。吸血鬼同士の、そして吸血鬼と人間の、壮絶な闘いと友情を描く大作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アイゼナハ@灯れ松明の火

15
「わたしの種族を救いに来てくれるかどうかわかりませんでした。船のためならば来てくれるだろうと思ったのです。」「きみのためだけで充分だったのだ。わしらはパートナーなんだぞ。なあ、そうじゃないのか?」川の男マーシュの友情に胸が熱くなりました。奴隷制を背景に持ってきた物語の構成の妙については、他の方が既にコメントされている通りだと思います。傑作。2010/02/01

くさてる

11
ぎりぎりとしながら反撃を待つしかない展開に、読み進めるスピードが追いつかなくなりそうでした。キャラクターの魅力、展開、吸血鬼の設定、どれもがうまく作用しあった結果、最後の最後、じんと沁み渡るような余韻が残る物語でした。映画化したらすごく映えそうなんだけどなあ。2013/12/11

たこのまくら

9
種族を超えた男同士の友情に感動。そして舞台背景の設定にも感心。19世紀半ばのアメリカを舞台にすることで、吸血鬼と(その家畜たる)人間の関係と、白人と(その奴隷たる)黒人の関係を関連づけて議論する。そうすることで吸血鬼の所行にも自信を持って反論できなくなってしまう訳だ。大変面白かった。2010/04/24

NezMozz

9
蒼白の王と川の男の友情は、異種に渡された橋だった。しかしそれはいつのまにかゆっくりと育まれたのではなく、双方の真摯な選択により培われた友情と理解だ。ジョシュアは一貫して、自分の生まれを呪いはしても、けしてそれを捨てようとはしなかった。ジュリアンが嘲ったように昼の民になろうとはしなかった。辛抱強い理解と真に自主的な選択によって、異種の間に橋をかけようと努力した。まさに良き王のように。上巻での伏線を全て回収し、怒涛の勢いで進む物語は、アメリカという国の青春時代の熱と闇、そして大河ミシシッピの流れのごときである2010/02/24

彩也

8
フィーヴァードリーム ー熱病にうなされた夢。ミシピッピ河で最も美しく速い船を所有者したいというアブナーの夢。一族〈夜の種族〉を「赤い乾き」から解放したいと願うマーシュの夢。彼らの夢はまさに熱病のように彼らに取りつき、駆り立て、周囲を巻き込んでゆく。吸血鬼譚を展開するのに、蒸気船の華やかだが苛酷な世界を用意。背景には奴隷制度と南北戦争、ミシピッピ河の雄大な流れ。物語は男同士の友情、そして過ぎゆく時の儚さ。もう満足。2012/07/12

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