創元SF文庫<br> 鳥はいまどこを飛ぶか―山野浩一傑作選〈1〉

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創元SF文庫
鳥はいまどこを飛ぶか―山野浩一傑作選〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 413p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488740016
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

この小説は、最初の二節と最終の二節以外のaからlの配列を任意に変更して読んで下さって結構です──各章の間を自由に飛翔する鳥を追うことで無数の物語展開を体験できる表題作の他、三島由紀夫・寺山修司らに高く評価された「X電車で行こう」、単行本未収録作品「内宇宙の銀河」など全9 編を収める。サンリオSF文庫創刊から先鋭的なSFや前衛文学の紹介に尽力し、創作・評論両面で輝かしい軌跡を残した巨人による幻の傑作群。

内容説明

この小説は、最初の二節と最終の二節以外のaからlの配列を任意に変更して読んで下さって結構です―各章を自由に行き来する鳥を追うことで無数の物語展開を体験できる、実験精神に満ちた表題作など代表作10篇を収める。雑誌「NW‐SF」創刊、サンリオSF文庫創刊に際し、先鋭的なSFや前衛文学の紹介に尽力、創作・評論両面で輝かしい軌跡を残す巨人の幻の傑作群が甦る。

著者等紹介

山野浩一[ヤマノコウイチ]
1939年、大阪府生まれ。関西学院大学法学部中退。創作・評論活動の傍ら『季刊NW‐SF』を創刊、日本におけるニュー・ウェーブ運動を牽引した。競馬評論家としても活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

39
非常に密度の高い傑作選になっている。基本的にすべて読んだことはあるが、改めてすべて読み返してみた。著者あとがきにもあるように「消えた街」「マインド・ウインド」以外は不条理SFである。中でも「カルブ爆撃隊」は著者がある意味行きついた作品だと思う。「X電車で行こう」「赤い貨物列車」なども今読んでも面白い。「首狩り」も単なるアイディア作品ではなく、どうして福島正実がそこまで嫌っていたのかわからない。巻末の高橋良平氏の解説も良かった。2011/11/15

ハチアカデミー

20
安部公房も絶賛したという「X電車で行こう」が凄い。実体がなく、音だけが聞こえる幽霊電車が日本全国を駆け巡るシュールな作品。その行き先が唯一分かる男が、電車に翻弄されていく。SFファンだけが読む作品にするのはもったいない。「カルブ爆撃機」では、身に覚えのない事件で収監された男が、監獄の中で、自分が戦闘員であるという妄想に取りつかれる物語。両者ともに、人間の頭の中の奇怪さを描くスペキュレイティブ・フィクションである。順番は自由に読めとことわる表題作も良い。日本SFの、文学としての凄さも知ることができる一冊。2015/12/27

かとめくん

12
不条理SFの走りともいえる作品群。今読んでもちっとも古びていないのは現実世界が今も変わらず不条理な不安感に包まれているからだろうか。必死でしがみついている自分の拠りどころがいとも簡単に崩れてしまう世界。そのとき、自分だったらどうするのだろう?2012/04/23

シロビ

5
「鳥はいまどこを飛ぶか」「X電車で行こう」「カルブ爆撃隊」「首狩り」が好き。現実として認識する世界との折り合いがつかない自分の意識。何かから逃げ出す為、新しい何かを始める為、現在と異なることを求める時には考えることが必須で、全てをなかったことにできない自分の思考の連続性にうんざりする…。でも、自分の思考からしか生まれない他人の知らない世界にわくわくしたりもする。とっても共感するし、読んでいる間は楽しいけれど、読み終わると「会社行きたくないなぁ…生きるの大変だなぁ…」と思ってしまう物語たち(笑)可愛い。2019/04/11

月世界旅行したい

5
個人的ベストは「X電車で行こう」ともう一つの本に入ってる「殺人者の空」。2014/04/10

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