創元SF文庫
逆転世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 425p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488655037
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

「地球市」と呼ばれるその世界は、全長1500フィート、七層から成る要塞のごとき都市だった。しかも年に36.5マイルずつレール上を進む可動式都市である。そんな閉鎖空間に生まれ育った主人公ヘルワードは、成人を迎えた日に初めて都市の外へ出ることを許された。だがそこで彼が見たのは…月も太陽もいびつに歪んだ異常な光景だった。英国SF協会賞に輝く、鬼才の最高傑作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

46
世界の理をじっくり丹念に描くことで読者は主人公ヘルワードと同じようになぜ都市は動かなければならないのか?というこの世界の摂理を徐々に理解していく。しかしそんな摂理は第4部で驚くべき転換を見せる。そして最終章で補完される驚きの真相は、ほとんどの読者がある有名なSF映画のラストシーンを想起するだろう。しかしだからといって本書を先行作の二番煎じと判断してはいけない。この作品は我々が住む世界の原理原則が科学者、数学者によって作られた論理の上で成り立っていることであり、それが果たして真理なのかを問う物語なのだから。2013/07/17

MATHILDA&LEON

31
久々に再読。1度目はかなり昔に読み、その時にはイマイチ理解しきれずモヤモヤとしたまま終わったが、時を経て改めてじっくりと読み返してみると、以前は分からなかったことも多少は見えてくる。この物語に関しては、たぶん何度も読むことで理解とともに味わいが増すのだろう。“歩みを止めたら死んでしまう都市”から何故か『風の谷のナウシカ』の王蟲を連想。2016/03/28

KAZOO

15
SFなので何でもあると思いますが、かなり大がかりな物語です。私はすぐ没入してしまうのでこのような物語は大好きです。確かに皆さんが言われているように期待感が大きすぎると若干肩すかし気味になるのですが、私は結構楽しめました。2014/04/21

しろ

15
☆7 なんとも奇想にあふれた一冊。不思議な世界観で始まるこの物語。移動型都市の内部とその外部の摩訶不思議な世界。それを初めて外へと出る主人公とともに体験する。この世界は球ではなく、反比例の立体のような形になっていて、重力の関係からその先端へと流され潰されていく。だからこそ都市は移動している。そんな変な世界なのだけど、その向こうにある真実がズルいけれどいいアイデアで、皮肉もたっぷり。現実へと戻った時、やるせないがいい哀愁の漂う作品だった。2013/08/24

miroku

8
この不条理な世界にはそそられる。が、着地点がなあ・・・。2010/10/27

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