創元推理文庫<br> 月を売った男

創元推理文庫
月を売った男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 337p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488618025
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

10
作者最初の中短編集である本書(1950刊)は、未来技術が行き渡る社会をネットワーク・システムと捉えながら、そのような社会で人間同士が引き起こすトラブルによって、システムが変容する過程をシミュレートする5作品を収録する。「動く道路」が敷き詰められた都市で起こるストライキはシステムを管理する側の権力が露わになり、新たな技術(寿命測定装置や光と電気の転換装置)の導入では、既得権益や思考習慣との齟齬が顕在化する。その中で表題作は、月に行きたい経済人が法と経済の考え方を最大活用して月を商品化する過程とオチが秀逸だ。2023/12/10

hirayama46

4
中編サイズの表題作を含む5編を収録。なにしろ70年以上前に書かれた未来史なので、2022年に読むにはたいへんに古式ゆかしいものですが、それはそれで面白いものです。表題作におけるめちゃくちゃな奇想(当時から考えても無理筋だったのではないだろうか)がありつつもハインラインらしいロマンティックな情緒もあり楽しめました。2022/01/10

シャル

4
いくつかの短編と表題である中編の作品集。どの短編も実にSFらしく興味深いのだが、やはりこの本は表題作の『月を売った男』とその後日談である『鎮魂歌』に尽きる。エネルギッシュで、野心のために猛烈に働き続けたある社長が、突っ走り続け、ほぼ全てをかなえるのだが、その圧倒的な才覚ゆえに、逆に夢を追う権利を最後の最後で抑えられ、諦めねばならなくなる哀愁。そしてその悲しみに一つの答えを導いてくれる『鎮魂歌』。宇宙へのロマンを軸に、男の夢のあり方を描いた印象深い物語である。2011/11/12

syam

3
自分が行きたくて作ったロケットに乗れない悔しさ、強行した時の悲劇が書かれた表題作とその続きの「鎮魂歌」が面白い。実は宇宙なんて行ったっていいことないと思うけれども、それでも宇宙への想いはかき立てられるね。2010/09/10

紙魚

2
まさにモデル化されたアメリカ人企業家(起業家)として描かれただろうD.D.の人物像が特徴的. なぜスティーブン・ジョブスがアメリカが生まれ, 日本では生まれないかと言うと, そもそもこういった人物モデルが日本の文化の中に存在しないからという説をとなえたくなるくらいくらいだ.2018/10/29

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