創元推理文庫<br> 999(ナイン・ナイン・ナイン)―狂犬の夏

創元推理文庫
999(ナイン・ナイン・ナイン)―狂犬の夏

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  • サイズ 文庫判/ページ数 470p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488584030
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

田舎町に起きた連続猟奇殺人の顛末を、少年の目を通して描くランズデールの表題作。幽霊屋敷をなんとか売り物にしようと策を巡らす不動産業者ら一行を待ち受ける意外な運命を物語るブラッティの長編『別天地館』。加えてストーカー賞作家モンテルオーニ、怪奇の詩人リゴッティらの世にも奇妙な4つの物語を収録。ホラーを愛するすべての人に贈る一大アンソロジー、ここに完結。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mejiro

13
ジョー・R・ランズデール「狂犬の夏」、トマス・F・モンテルオーニ「リハーサル」、ウィリアム・ピーター・ブラッティ「別天地館」が特におもしろかった。ブラッティ目当てだったが他の作品もよかった。「狂犬の夏」、アメリカ南部の風土と老人の回想に漂う郷愁が深い余韻となって残る。最後の文章にしんみりした。「リハーサル」、もし人生にリハーサルがあったら…。「別天地館」、幽霊屋敷を舞台にしたホラー。捻りがきいている。よいミステリを読んだときのような爽快感があった。 2017/09/22

Kouro-hou

13
ホラー系アンソロジー3/3冊目。中長編中心に6本収録で、より作家の個性が出やすい編成。今回もなかなか粒ぞろい。ランズデールの表題作は後の「ボトムズ」の原型。闇、死、狂気など異質の恐怖が彩るスタンドバイミー。これに感動して他作品に手を出すとそのお下劣ぶりに卒倒するであろうw 「影と闇」はまさに古典。古典風じゃない古典そのもの。ラヴクラフト全集に紛れてても多分わからない。「リハーサル」は「怪奇アンソロジーです。恐いのヨロシク」という意図が伝わってないんじゃないか?と心配になるトワイライトゾーン感動系。 2014/06/20

はなすけ

9
お目当てはブラッティの「別天地館」。皮肉のきいたユーモアある会話のテンポの良さは流石。 マシスンの「地獄の家」を彷彿させるようなメンバー構成だけど、実は…。表題の「狂犬の夏」は意外にも猟奇殺人もの。暑さと腐敗の空気が行間から立ち上ってくるようだった。「影と闇」は難解だったので飛ばして一番最後に読んだ。難しかったけど面白い。2022/08/04

ハルバル

5
今巻はどれもクオリティーが高く、大満足。ホラーか?怖いか?と問われればNOだが、何よりも面白い。表題作「狂犬の夏」は1930年代南部の田舎町で連続殺人が起き、黒人の老人はスケープゴートとしてリンチされて殺されるわ、真犯人は身近な人物(まぁすぐ察しはつくけど)という陰惨な話だが、回想のノスタルジーが絡むのがいい。あとは「影と闇」がラヴクラフト風形而上ホラーという特異なもので、その意欲は買いたい。「別天地館」はよくある幽霊屋敷ものを捻ったもので伏線や構成が上手い(まぁ今読むと某映画が浮かんできてしまうのだが)2017/08/13

madhatter

2
再読。中偏二作はそれぞれ面白かったのだが、やはりホラーは長くなると夾雑物が交じりやすくなり、恐怖も薄れやすくなるかな、と思わんでもない。しかし「別天地館」のラストは良かった。主要登場人物の末路は考え抜かれているとは言え、何もかも明るみに引き出されてしまい、些か拍子抜けだったのも確かなのだ。それがあのラストシーンに至って「割り切れないもの」が残る感じがよい。あの人物に関しては、それぞれの読者が、色々なことを考えられそうな気がする。2012/04/20

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