創元推理文庫<br> 小鼠ニューヨークを侵略

創元推理文庫
小鼠ニューヨークを侵略

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p
  • 商品コード 9784488526016
  • NDC分類 933
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

112
ヨーロッパの架空の小国が奇想天外な方法でアメリカを打ち負かしてしまう物語。抱腹絶倒で笑えるところが多く、結末はハッピーエンドで後味が良かった。(ただし、ブラックユーモアの味付けがしてある)。アメリカとソ連が激しく対立して頃書かれており、核兵器や大国支配に対する風刺が鋭い。人間の愚かさを黒い笑いで表現するところは、『ガリバー旅行記』に似ていた。高橋孟氏によるキュートで洒落た挿絵が良い味を出している。復刊してほしい1冊。2016/08/18

藤月はな(灯れ松明の火)

23
コメディ版『博士の異常な愛情』+『パタリロ』みたいなイメージでした。ドアを破られて拉致されそうなのに「サンドイッチを持ってきたのかね?」と訊ねるコーキンツ博士に爆笑。一方で新型核爆弾を作ったコーキンツ博士の裁判での受け答えは科学者の探求意識とその結果が齎す被害への罪悪感の乖離が問われて苦い。しかし、そんな彼を散歩に誘ってある見方を示すピーアス翁が中々、いい味を出しています。そして聡明で優しいグロリアス女王様がとってもキュート。彼女が恋した相手とそのプロポーズ劇には微笑ましすぎてニコニコしちゃいました。2016/08/20

本木英朗

19
グランド・フェンウィック大公国。北アルプス連峰の険しい山ひだのひとつに位置する、人口6000人の小国です。この小国は建国以来500年以上に渡って独立を保ってきました(実際は、侵略する価値もない、と周りの大国が判断したに過ぎませんが)。今世紀に入ってからグランド・フェンウィックは外貨獲得の手段として世界に誇るに足るピノーワインを輸出し、収益を上げてきました。

本木英朗

17
アメリカのユーモア小説家のひとりである、レナード・ウイバーリーの長編のひとつである。俺は2001年に一度読んでいた。北アルプス山中の小国グランド・フェンウィック大公国――自由を旗印に平和は日々を送っていたこの小国にも、人口の自然増加による社会問題が持ち上がっていた。外貨を獲得する手段は、世界に誇るワインだけ。ワインの水割り論をめぐって賛否が国を二分し、決断を迫られた大公女は何とアメリカに宣戦を布告してしまい――という話である。2回目であるがぜんぜん覚えていなかったから、本当に超面白かったです。(→)2023/12/03

鐵太郎

14
過去の歴史の中で、アメリカ合衆国と戦争をした国は、最終的に必ずアメリカ合衆国に敗北し、その保護対象となっている。これを使わずにおくものか。 戦争プラン:月曜日に宣戦布告、火曜日にアメリカ侵攻、水曜日に敗北、木曜日に媾和、金曜日から援助。かくして、貴重なるピノー・ワインの粗悪な模造品に対する抗議と共に、グランド・フェンウィック大公国は、アメリカ合衆国に宣戦布告をしたのでありました。そして遠征隊がニューヨークに上陸。武装はむろん、先祖伝来の大弓。こんな小さい国の、こんな薄い本が、こんな大きな物語となりました。2005/04/09

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