創元日本SF叢書
盤上の夜

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488018153
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

囲碁、チェッカー、麻雀、将棋、古代チェス……対局の果てに、人知を超えるものが現出する。一人のジャーナリストが語る清新なSF連作。第1回創元SF短編賞山田正紀賞。

内容説明

相田と由宇は、出会わないほうがいい二人だったのではないか。彼女は四肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった―若き女流棋士の栄光をつづり、第一回創元SF短編賞で山田正紀賞を贈られた表題作にはじまる全六編。同じジャーナリストを語り手にして紡がれる、盤上遊戯、卓上遊戯をめぐる数々の奇蹟の物語。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋…対局の果てに、人知を超えたものが現出する。二〇一〇年代を牽引する新しい波。

著者等紹介

宮内悠介[ミヤウチユウスケ]
1979年東京生まれ。92年までニューヨーク在住、早稲田大学第一文学部卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。海外を放浪したり麻雀プロの試験を受けたりと迷走ののち、プログラマに。2010年、「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞最終候補となり、選考委員特別賞である山田正紀賞に輝く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

119
ボードゲームの短編集。デビュー作にして直木賞の候補にもなった作品。表題作と原爆の局がよかった。2014/02/13

ちはや@灯れ松明の火

108
世界が生まれ落ちる瞬間を見たくはないか。連なり織り成された桝目は何処までも広がる乗算の迷宮、魅入られ囚われた魂を逃すことなき網目の檻。四肢を奪われた彼女は何時明けるかも知れぬ夜の深遠に星を散らす。灯りを手繰り更に奥へと進むが為。指先が描いていく、嘶く騎馬、進む歩兵、空飛ぶ象、黒白の相克。盤上に刻まれる、興りそして滅ぶを繰り返す戦いの歴史。心身を削ぎ落とし息を詰めて潜る正方形の深淵、真理を求めることがやがて遊戯そのものを葬り去ることになろうとも、彼らは探り続ける、生きるが如く。この世界がやがて終わるまで。 2013/01/05

けい

75
様々なゲームを巡る物語。盤上と人間の頭脳の中に広がる、無限の宇宙と時の流れを感じさせる作品。個人的には古代チェスを通じて、ブッダの周辺の人々を描いた「象を飛ばした王子」が好み。2016/01/16

藤月はな(灯れ松明の火)

70
中井英夫の世界観と言語や認識における思考実験を取り混ぜたようなボードゲームを主体にした短篇集。紹介されたボードゲームは全く、知らないのになぜか目の前が拓けたような感覚に陥り、戸惑い、震えます。表題作は四肢を喪った女性が代替感覚を得た対象が碁盤。補佐していた相田が「観念がないならば何が残るというのですか!」という言葉が強く、心を抉ります。「人間の王」はチューリングテストにおける人間性とは何かを問うた作品。衆生の幸福を願いながら人として苦しみ、無明の闇を見続けた「蝕」を描いた「象を飛ばした王子」が印象的でした2013/06/09

Gamemaker_K

68
楽しいというものではないが、相当面白い本だ。一番好きな話は「清められた卓」。ものすごくマニアックな麻雀小説を書いてほしい(人物じゃなくて麻雀をテーマにして)。将棋がベースになっている話はあまり好きじゃないが、これは私が将棋好きだからという理由。そういう幕をとっぱらうと、それはそれで面白い話だ。2012/05/09

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