真理とディスクール―パレーシア講義

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480847126
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

ギリシア哲学において真理を語る者の役割は、どのような“問題”を構成していったのだろうか。真理に関して、カントの考古学、ニーチェの系譜学、ウィトゲンシュタインの「ゲーム」の理論をうけつぎながら、真理を語る=パレーシアという語が使われる状況を歴史的に分析・考察し、真理を語る主体と他者との関係から構成される問題に焦点を当てたフーコー最晩年の重要概念。

目次

第1章 パレーシアについて―一九八三年一〇月一〇日の第一講義
第2章 エウリピデスにおけるパレーシア
第3章 民主制の危機におけるパレーシア―一九八三年一一月一四日の第四講義
第4章自己の配慮としてのパレーシア
第5章 グレコ・ローマン期のパレーシア―一九八三年一一月二一日の第五講義
第6章 自己の技術―九八三年一一月三〇日の最後の講義
結論 “問題構成”について

著者等紹介

フーコー,ミシェル[フーコー,ミシェル][Foucault,Michel]
1926~1984年。フランスの哲学者。心理学の成立の条件を解明する『狂気の歴史』、西洋の知の歴史的な条件を分析した『言葉と物』、「系譜学」の方法を採用し、真理と権力の密接な関係を扱った『監獄の誕生』、権力の問題を性の視点から検討したシリーズ『性の歴史』などの作品を残した。晩年には、知の枠組みを解き放つ「統治性のプロジェクト」に取り組み、真理の概念を解体し「ゲーム」とする思想を提示した

中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。思想家・翻訳家。インターネットの哲学サイト『ポリロゴス』主宰。哲学クロニクルでは、世界の哲学の現状を紹介している
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感想・レビュー

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燃えつきた棒

35
本書は、1983年秋にカリフォルニア大学バークレー校で、行われた六回の連続講義をまとめたもの。 翌年6月には、フーコーは亡くなっているので、僕は遺言として読んだ。2020/04/18

ラウリスタ~

12
ひじょーに読みやすい。フーコーってこんなに分かりやすい講演できるんだ。パレーシアって言うと、なんだか難しいことを話しているようだけれども、なんのことはない、ざっくばらんに話すってことだ。真理とは何か?という問題を探求するのではなく、真理の話され方を、場面場面に応じて研究する。それが、フーコーがパレーシアという概念でもってしようとしていること。古代ギリシャの劇、プラトンなどにおける、発話者の身を危険に曝してでも真実を語ろうとする「パレーシア」から始まり、民主制を揺るがしかねないおしゃべり「パレーシア」等等。2013/09/26

iwri

8
初フーコー。なので、雰囲気がつかめればいいかなーという感じで読んだ。講義最後に語られる「問題構成」の話を読む限り、いかにパレーシアのゲームが思考の歴史の中で立ち上が(創造され)っていくのかの分析法が一番の問題なのかなーという印象を受けた。あとは、各々のパレーシア(のゲーム)が発話状況に依存し、ゲームの中で個人のあり方や社会や権力との関係で規定されていくという分析が重要なんじゃないかという印象。講義録だけあって、文章自体は読みやすかった。2011/09/09

yutayonemoto

4
【部分精読】【速読】解説「パレーシアとフーコー」,第一章「パレーシアについて」,第六章「自己の技術」,結論「<問題構成>について」を上記の順でノートにとりながら精読。フーコーフーコーと言いながら本人の講義に当たるのは初めて。それにしても知識が半端ではない。彼の発言がエビデンスになっている。よく自然科学の論文で,「われわれが検索した範囲では〜」と前置きで言い訳をしているものがあるが,フーコーは「俺が調べてないなら、ない」という自信が言葉の中に満ち満ちている。2014/06/26

matsukawaeri

4
カフェフィロのイベント「テツドク!」で扱いました。もともと講義、つまり話し言葉なので、フーコーの本のなかでは読みやすいです。フーコー自身は、「パレーシアの系譜」をたどっていますが、「パレーシア」という古代ギリシアの概念をヒントに、現代において「真理を語る」とはどういうことか、考えてみるのもおすすめです。「パレーシアステースはリスクを引き受ける」、「王や僭主はパレーシアステースになれない」、「パレーシアは自由と義務に関わる」など、興味深い言葉がちりばめられています。たとえば、自分が震災について語ったあの言葉2012/01/23

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