目次
税所敦子篇(御垣の下草(抄))
松の門三艸子篇(松の門三艸子歌集(抄))
中島歌子篇(萩のしつく(抄))
下田歌子篇(雪の下草(抄)
寂しき宮居)
中島湘烟篇(善惡の岐)
竹屋雅子篇(詠草(抄)
雲間の月
其折々)
清水紫琴篇(したゆく水)
三宅花圃篇(八重櫻;歌人;萩桔梗)
小金井喜美子篇(星;浴泉記;名譽夫人;心づくし)
木村曙篇(婦女の鑑;操くらべ;わか松)
田澤稻舟篇(月にうたふさんげの一ふし;五大堂)
大塚楠緒子篇(離鴛鴦;空薫;そら〓(しゅ)續編)
北田薄氷篇(乳母)
藪の鶯(宮本百合子)
閨秀小説を讀みて(十二角生)
湘煙女史を想ふ抄(相馬黒光)
竹屋雅子について(鹽谷泰代)
紫琴女史の片影抄(相馬黒光)
お茶の水時代(三宅花圃述・神崎清記)
明治女流作家論抄(塩田良平)
解題(塩田良平)
年譜(福谷幸子編)
參考文獻(福谷幸子編)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
11
個人の感想です:B+。『婦女の鑑』(木村曙)が『藪の鶯』(三宅花圃)と樋口一葉の間をつなぐ位置の小説と思い読んだ。著者は一葉と同じ年に生まれ、明治23(1890)年に18歳で夭逝しているが、本作はその前年16歳の時に読売新聞に1か月の連載小説として掲載された。綿矢りささんは19歳で芥川賞だから、彼女より若くして全国デビュー。女流文学者が希少な時代に、主人公秀子が英国に留学、米国で繊維業に従事し、帰国後会社を興すグローバルな小説だが、文体は候文で流麗な五七調で掛詞を多用した古めかしさとのギャップがスゴイ 2022/02/02
マカロニ マカロン
4
個人の感想です:B。『恋歌』(朝井まかて)を読み終わって、とても心に残った本だったので、関連本として、主人公の中島歌子と三宅花圃の作品を読んでみたくなり、図書館で借りました。作品にも出てきた三宅花圃の『藪の鶯』を読みたかったのだが、宮本百合子の解説のみで、肝心の小説は収録されておらず、青空文庫で読んだ。また、中島歌子の『萩のしつく』(抄)を読むと、『恋歌』の中の江戸から水戸への嫁入り道中は、この中の「秋の道しは」にそって書かれていることがわかる。ただし、恋歌の元となった「君にこそ」の歌は掲載されてない。2017/06/09