内容説明
xn+yn=znには自然数解が存在しないことがついに証明された!問題のわかりやすさ、美しさに比べ、攻略のなんと難しかったことか。1995年のワイルズの最終証明に至る歴史的な道筋を、ギリシア以来の初等的整数論に始まり、フェルマーやクンマーによる代数的数論、さらに20世紀後半に花開いた楕円曲線論を初めとする幾何学的数論を経てたどる本格的な数論史。偉大な数論学者たちのアイデアはどのように育まれ、そしてどのような数学的道具が創造されたか。原資料を博捜し、その数学的真実に迫る。
目次
第1章 古代の数論
第2章 フェルマーとその時代
第3章 フェルマー以後クンマー以前
第4章 クンマーの金字塔
第5章 1851年以降の展開
第6章 ついにフェルマーの大定理が証明された!
著者等紹介
足立恒雄[アダチノリオ]
1941年、京都府生まれ。早稲田大学理工学部数学科卒業。同大学教授。理学博士。専攻は代数的数論、数論史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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LUNE MER
2
代数的整数論の立場から見たフェルマーの定理の歴史。最終的には別の動機から発展した数論幾何等の手法により証明されたわけだが、フェルマーの定理を証明することを目的として創り上げられた美しい理論体系を概観できる。数学理論の世界での主導権争いという人間臭さも描かれていてよい。
そーつい
2
著者は、ブルーバックスでもフェルマーの大定理の本を出しているが、この本は学部以上の数学的素養がある人を対象に書かれている。前半は数学史がメインなので、予備知識がなくても読めるが、後半の代数的整数論や数論幾何は予備知識がないとさっぱりわからない。知識を身につけてから後半の章にまた挑戦したい。2014/02/07
いちはじめ
0
フェルマーの大定理関連の本としては、やや難しいか。2006/10/12