内容説明
ゾロアスターは多くの姿と名をもつ。預言者、魔術師、占星術師、ザラスシュトラ、ゾロアストレス、ツァラトゥストラ…「古代神学」の系譜ではモーセやピュタゴラスと並ぶ賢者としての、さらにはイエスの降誕を伝えたとされる東方三博士のはるかな祖先としての、下ってはニヒリズムの超克者たるニーチェの分身としてのゾロアスター。幾多の宗教批判者、さらに聖典の探索や儀礼の調査に赴いた東洋学者や探検家も、この謎に満ちた開祖のイメージをさまざまに彩った。本書は、ヨーロッパによるアジア理解の歴史の中にゾロアスター像の変遷を辿る、類のない文化史=精神史の試みであり、この著者にして初めて書きえた意欲作である。
目次
第1章 ゾロアスター伝説(年代の謎;王・魔術師・占星術者 ほか)
第2章 正典を求めて(アンクティル=デュペロンの探求;インドへ ほか)
第3章 ゾロアスターの生涯(フワルナフ托胎;父と母 ほか)
第4章 イメージと歴史の交錯(偉大なる神アフラ・マズダー;火の祭儀 ほか)
第5章 コスモロジーから終末へ(アジアの魂;始元に二霊あり ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いきもの
3
ゾロアスターやゾロアスター教についてというよりも西洋社会でのゾロアスターのイメージの変遷がメインな感じの本。ちょっととっつきづらい印象があった。2016/05/09
karatte
3
古本で購入。かなり面白い。なんか内容とタイトルが合ってない気がしたが、あとがきに"出版社の意向"とあってなるほどと思った。2011/12/18
mikuriya
1
マツダ車に乗りたくなる2015/04/05
ハチアカデミー
1
C 哲学の始まりとして、またキリスト教以前の、西洋以外の宗教として知られるゾロアスター教。ヨーロッパにおいて、常に未知の宗教であり、自分たちとは決定的にことなる存在=絶対的な他者であるがゆえに、様々に捉えられてきたその表徴を探る。教義が記された「アヴェスター聖典」は失われている。ゆえに「時間の連続性を断ち切り、完本の存在を神話化している」。最終的な正答が無いからこそ、残された教えを信じ、問い続ける営みが興味深い。各論の繋がりが希薄だったのは残念だったが、入門には丁度良かった。2012/01/12
thuzsta
0
ゾロアスターの生年が古い説だった。2010/10/13