内容説明
本書は、晩年のニーチェの思想とその形成過程を知るための必読文献である。また、若き日のニーチェが「回想」ふうに書き残した文章を編集した『自伝集』を併載する。
目次
この人を見よ
自伝集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
47
バランスのとれた人間の元に才能が宿るのではないことを典型的に示す誇大妄想の本。『この人を見よ』がなぜ読まれているのか。単に読み易いからだけではなく、ニーチェの普及に役立ったことが解説に書かれている。2023/11/01
roughfractus02
2
「人はいかにして自分が本来あるところのものとなるのか」という副題を持ち、自らを人間ならざる「ダイナマイト」と呼ぶ著者が書いた本書は、従来の自伝ジャンルを念頭に置く読者を戸惑わせる。「人間」ならざる何かになるために書くことが「人間」の一生が書かれる自伝に逆行するからだ。が、死に向かう一回限りの生を神の永遠の欠如態と見なすことでヒトは自ら擬人化して「人間」となるとするなら、本書は、その際に封じ込められた生による自動的な筆記(Autobiographie)を解放し、自伝自身に浸透した宗教的慣習に爆薬を仕掛ける。2017/08/14
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1
**哲学**哲学ネタSF読解の為読了。本書はニーチェが発狂して死亡する11年前に書かれた著者最後の作品です。本書は彼の生涯と哲学が最も端的に著されている。その為一連の著作品を読んだ後に読む事を強くお勧めします――まさにニーチェ渾身の皮肉としか言いようがない。このタイトルひとつ取っても、彼が好ましく思っていなかった牧師の出自を暗示するものだった。しかもヨハネの言葉である。聖書の痛烈な皮肉を込めた本書には、書物でありながら、書物の内容を疑問も持たずに鵜呑みしてはならないという彼の教示を感じずにはいられない。2012/07/28
Yuki
0
西尾訳を読んでいたので、”カリスマ”川原大先生の解説を読むだけのおサボり。でも、これでようやく、全集が揃いました!!2016/03/30
rubix56
0
講談社文庫バージョン 登録できなかった2014/09/23