ちくま新書
“ぼく”と世界をつなぐ哲学

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  • サイズ 新書判/ページ数 233p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061751
  • NDC分類 100
  • Cコード C0210

内容説明

グローバリゼーション、IT革命、ボーダーレス化によって、私たちの社会は深刻で劇的な変化を遂げつつある。これまでの枠組みはほとんど無効になりつつあるが、新たな座標軸はまだ見出せていない。本書では、「アイデンティティ」「言語」「他者」「共同体」など身近な問題意識に沿って哲学者たちの仕事の軌跡とその到達点を整理し、不透明な時代の〈ぼく〉について考える。哲学史の中のさまざまな試みを手がかりに、素朴で根源的な問いにこたえる異色の入門書。

目次

第1章 アイデンティティの迷宮
第2章 記憶の思想史
第3章 言語と独我論
第4章 言語の起源
第5章 他者と相互承認
第6章 他者の異貌
第7章 共同体と友愛
第8章 共同体の内と外から

著者等紹介

中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。哲学者、翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

49
2010.12.29 (中山元) 1949生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。哲学者、翻訳家。(裏扉) グローバリゼーション、IT革命、ボーダーレス化。劇的変化、無効になる過去の枠組み。でてこない新座標軸。アイデンティティ。言語、他者、共同体についての考察。彼らの軌跡を整理する。<ぼく>を考える。透明性の消えた時代。(あとがき) アイデンティティを可能世界、分身、双子で考えた。記憶の思想、記憶とその歴史。<人格の自己同一性> 2010/12/30

踊る猫

25
著者がウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を「ぼく」という一人称で試みに訳しているのを読み、やや困惑。そんな風に、ハードな哲学をソフトな「ぼく」及び「世界」をめぐる問題系として整理する。幅広く引用されるが、やはり問題設定が問題設定だけにハイデガーやレヴィナスの哲学を扱ったところが、取り分け筆が冴えているように感じられた(悪く言うと、私がそこだけしか読めていないとも言える)。私自身もリアルで喋る時の一人称が「僕」なので、この地べたに足のついた「ぼく」から見た哲学のワクワクする面白さこそ大事なのかな、と思う2020/03/18

ネムル

8
その平易な語りにもかかわらず、高速で多くの哲学者の意見が参照・引用されていくので、思いの外読むのに苦労した。独我論を越えた世界との繋がりをアイデンティティ、言語、他者、共同体などの視点から考察している。言語や他者の観点は興味があるので、今後も適宜参考にする。2018/05/14

i-miya

6
◎言語の相対論。第5章、他者と相互認識。1.近代哲学と他者。◎<他なるぼく> 3.相互承認論。◎ヘーゲルの承認論。主人と奴隷の関係(『精神現象学』)◎コジェーヴ(1902-1968)。4.欲望の理論。◎ラカンの欲望論。コジェーヴの欲望論。精神分析の分野で受け継いだラカン。2004/09/20

yuui02

3
哲学の本は難解な日本語を使いたがりますが、中山元氏の訳はわかりやすい。備忘録”プラトン以来の西洋哲学では主体と客体の二元論的な対立を根本としている。この二元論は対象を表象する主体の概念と、対象という客体の概念が、それぞれ主語と述語として措定され、それを「である」という繋辞で結びつける。古代のギリシャから西洋学問の本質には「探求」があるとハイデガー。自然に対して探求に向かう人間。そこではものは「対象」になる。全てのものは人間の対象になる場合に限って「ある」とみなされる。全ての存在は対象としてある。”2015/11/06

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