ちくま新書<br> ケルト美術への招待

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ちくま新書
ケルト美術への招待

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  • サイズ 新書判/ページ数 233p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480056368
  • NDC分類 702.03
  • Cコード C0270

内容説明

文字の使用を禁じられていたケルト人は、その民族的個性を、渦巻文様や組紐文様など抽象的で装飾性に富んだ作品として残した。その期間は、彼らが中央ヨーロッパで文明のリーダーシップを発揮していく紀元前700年頃から、のちにローマ・ゲルマンに追われてたどり着いたアイルランドなど極西の島嶼地方で花開かせた、初期キリスト教文化の時代にまで及んでいる。このヨーロッパの広大な空間を背景にしたケルト美術の華麗な世界を、多数の図版とコンパクトな解説によって紹介する。

目次

序章 ミクロのなかのマクロな世界
第1章 ハルシュタット美術
第2章 ラ・テーヌ美術
第3章 ガリア美術の見方
第4章 ケルト修道院文化
第5章 装飾写本芸術の輝き
第6章 ケルティック・リヴァイヴァル

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

41
2011.11.01 (カバー) 文字の使用を禁じられたケルト人。その民族的個性を渦巻く文様や組紐文様など抽象的で装飾性に富む作品として残した。BC7C-初期キリスト教文化の時代。中央ヨーロッパで文明のリーダー、果たす。のち、ローマ・ゲルマンに追われ、極西の島、アイルランドで花開かす。(鶴岡真弓) 1952生まれ、早稲田大学大学院修了後ダブリン大学留学。東北芸術工科大学助教授。ケルトブームの火付け役。処女作『ケルト/装飾的思考』(筑摩書房)。2011/11/01

岡本匠

11
京都桝形商店街の古本店 上海ラヂオで購入。意外にと言っては失礼だがいい本が結構置いてある古本屋さん。ケルト美術と言うとアイルランドが浮かんでくるけれど、この本はヨーロッパ大陸から始まる。ドイツやフランスでケルト美術の遺跡があり膨大な埋蔵物が発掘されていたとは知らなかった。鶴岡真弓の本は何冊か読んでいたはずだけど一体何を読んできたのかと思わされた。2018/06/29

奏市

8
渦巻、動物、組紐模様などを用いた抽象的なスタイルのケルト美術。ギリシャ・ローマの具体的で人物中心の表現とは対称的との事。たしかウィリアム・モリス展で買ったと記憶しているケルト十字架(十字に円環を戴いている)が四つ縦に並んだ栞で読み進めた。写真が載っている、石でできたケルト十字架が何十本も林立しているアイルランドのクロンマックノイズ修道院に行ってみたい。「ケルト石十字架は、「十字架」というキリスト教の象徴性を纏う前に、石そのものに感得される霊性のゆえに重んじられたのではなかろうか」益々石に興味が湧く話。2024/01/06

ぐっちー

6
ケルトの装飾文化を大陸、ブリテン島ごとに俯瞰する。伝承文学や宗教等はあまり触れず、彫刻、金細工、写本が中心。中東部フランスを訪れた頃からゴシック建築に見られる柱頭や門扉の異形の彫刻のルーツが不思議だった。もしかしたらガリアの文化とキリスト教の融合について何か掴めるかもと思って手にした本書。大陸のケルト文化をもっと知りたくなった。古来の神meetsローマの神々は非常に興味深かった。できれば図版はカラーで見たかった。2011/12/03

更新停止中

4
「装飾的思考」と内容が被るところはあったけれどこれはこれで面白かった。「大陸のケルト」中心の本はもうちょっと探して読みたい。「人像主義」と「反人像主義」に関しては、ケルトという枠組みを離れて広く「信仰と図像」という視点でつっこんだ話が読んでみたいと思った。2011/04/17

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