ちくま新書<br> 賭けとイギリス人

ちくま新書
賭けとイギリス人

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480056306
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0222

内容説明

人の歴史あるところ、賭博の歴史あり。なかでも闘鶏、決闘から、富くじ、サイコロ、サッカーくじ、日本の大相撲や首相レースにいたるまで、およそあらゆることを賭博の対象としてきたイギリス人にとって、賭けの意味とは。彼らの多彩な賭博の歴史のなかから、「勝負する動物」人間にとって賭けとは何なのかを考える。

目次

第1章 動物いじめとサイコロ賭博
第2章 富くじの隆盛
第3章 国全体が賭博場
第4章 闘鶏から決闘賭博まで
第5章 賭博場の世界
第6章 ギャンブラーたち
第7章 賭博取締り
第8章 賭博と階級
第9章 サッカーと賭博
第10章 イギリス人にとって賭博とは

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

4
イギリスにおける賭博の歴史。イギリスの生活史を読むとなにかと階級問題が横たわっているが、賭博でも同様なのが面白い。つまり、産業革命以後においてアッパー・クラスが賭博ですってんてんになるのは自己責任で許されるが、労働者階級が賭博にのめり込むのは商工業・貿易を発展させていく弊害となるので困る、というもの。2015/04/09

viola

3
小林章夫氏のイギリスものは、一通り読んでおきたいと思って手にとった本。あまり「賭け」について考えることもないし、そこに着目した本というのも珍しいので勉強になりました。個人的に興味があるのは数百年前までのことで、現在のイギリスについてはあまり関心がないので、最後の方はあまり面白くなかったけれど。ジェイムズ一世の異常すぎる賭け好きエピソードや、タキトゥスの『ゲルマーニア』にも賭けが出てくるというのは興味深い。熊いじめでの賭けって、勝ち負けはっきりしないから揉める原因では?と思っていましたが、やはりそうみたい。2013/01/12

百木

2
イギリスにおける賭博の歴史。賭博と賭博に対する取締りには社会階級によるところが大きかった。イギリスはフランスなどと比較し王権が弱く議会の役割が大きい。そのために財政に苦労したことも富くじの販売という手段をとった背景としてあるだろうし、そもそも議会制度も自らの代理を選ぶことは賭けと本質的には近いように思われる。そういう点でも賭けはイギリスにとって非常に馴染みのあるものだと感じる。2017/07/28

富士さん

0
再読。小林さんの著書の中でもかなり濃い部類に入ると思うのですが、あまり読まれておられないようでショック。イギリスの海外発展や産業革命を“賭け”という概念で解いたら結構うまく説明できるように思います。未知数な物事への果敢な挑戦と計算可能性への探求、このふたつの相反する情熱は、まさにギャンブラーの情熱の中に矛盾なく同居していると言えるのではないでしょうか。イベリア半島的な冒険心とハンザ的な堅実心を対比させる向きもあるようですが、これらが融合したところに真のエンタープライズ精神があるという事なのだと思います。2015/01/16

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