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内容説明
今から百年前、二十世紀が始まったばかりの頃、未来予測や未来小説が流行した。予測は、科学技術、日常生活、社会・環境など多岐にわたり、現在驚くほど的中していものも数多い反面、コンピュータのように全く予測しえなかったものもある。明治・大正を生きた人々は、来るべき「未来」に対して、どのようなイマジネーションを働かせ、ビジョンを抱いていたのだろうか。
目次
1 西暦2000年未来の旅
2 未来予測の的中度―『二十世紀の予言』
3 『二十世紀の予言』は誰が書いたのか
4 その他の未来予測
5 『百年後の日本』
6 なぜ、予測は的中したか?
7 ぼくの『二十一世紀の予言』十項目
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
34
【追悼】明治34年(1901年)に報知新聞に掲載された『二十世紀の予言』を検証したもの。無線電信の普及(携帯電話)や遠距離写真電送(FAX)、暑熱知らず(エアコン)、東京ー神戸間を2時間半で走る鉄道(のぞみ)など、その的中率の高さは賞賛に値します。その他、幸田露伴の未来予測小説『番茶会談』や日本最初のSF『西征快心篇』なども紹介。表紙のカプセルは、明治36年発表、月露行客の『三百年後の東京』に登場する冷凍睡眠機。私は映画『猿の惑星』で人工冬眠の結末に驚愕しましたが、人類の想像力の逞しさに感動を覚えます。2019/01/30
へくとぱすかる
34
古典SF収集を生かした、ヨコジュン先生のレトロな未来の本。明治時代はかなり未来に対して期待していた時代だったようだ。最も当たっているのは電気文明の普及。しかしコンピュータはさすがに予測できなかった。これが時代の制約なのだろう。さて今の私たちはとても100年先のことが予想できないのだが、果たしてどうなるのだろう。少しでも明るい未来であってほしいなぁ。2016/06/28
ヒデキ
30
今から、およそ30年前に書かれた20世紀末を検証した本でした。 明治時代、海外の文明に触れ始めた日本人が、 どんな未来を予測したのかを恐らく子どもたちに教えて自分たちの未来を考えるヒントを与えるために書かれたものだと思えます 2022/11/03
Tomomi Yazaki
19
明治・大正の日本人が未来をどう予測し、何を期待していたのか。そしてこれから人類はどこへ向かうのか。今は亡きSF作家の横順が具体的な事例をあげて考察する。驚くことに彼らは、テレビや電話、ましてや飛行機すら飛んでいなかった時代に、東京・神戸間を2時間半で結ぶ列車や、垂直上昇するオスプレーのような飛行機を予想している。でも彼らの子孫である各分野の著名人の未来予想は意に反して、てんでバラバラなのが可笑しい。そして最後に横順みずからが100年後の未来を予測している。それは皆の願いであり、希望でもあると思います。2022/03/09
あまみ
14
SF作家の横田順禰が1994年までに著した本。主に19世紀の日本人が20世紀について述べたことが書かれている。いろいろな人がいろいろな事を述べている。興味は引かれたが、その頃はやはり著者も書いているとおり、西洋人の方が、まだ的確な予測が多かったようだ。最後に横田氏が「次の百年間の未来予測」を述べている。その中から――薬品と人工臓器発達で、平均寿命二百歳。世界連邦国家樹立。人工子宮を使用した出産が主流になる。瞬時にどこへ出電送される物質電送機の完成。頭の中でイメージした小説・絵画など具現化してくる機械。など2022/06/02