内容説明
風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものであると主張する著者は、自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。本書は、「闘病」という言葉に象徴される現代の病気に対する考え方を一変させる。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた野口晴哉の名著。
目次
風邪の効用
自然の経過を乱すもの
風邪のいろいろ
水分を摂る時期―体質改善の好機
整体に於ける温めるということ
愉気ということ
著者等紹介
野口晴哉[ノグチハルチカ]
「社団法人整体協会」創設者。1911(明治44)年東京生まれ。17歳で「自然健康保持会」を設立。整体操法制定委員会を設立し、療術界で中心的役割を果たす。しかし治療を捨て、1956(昭和31)年文部省体育局より認可を受け「社団法人整体協会」を設立し、整体法に立脚した体育的教育活動に専念する。1976(昭和51)年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
97
風について知りたい人や体の仕組みや整体について知りたい人におすすめの本になっている!コロナ禍になった途端熱が出るや体調が悪い=コロナ=悪というような風潮が出てしまった。そのため少し会社を休みたいや学校を休もうにも厳しい。そんな前置きはさておきこの本は風邪についていい面をまとめた本になっている。風邪を引くとは体で疲れや強張りがあるサイン。このサインを見逃さずに治せば風邪を引く前以上に体調がよくなる。風邪とは私達の体を異変を知らせる火災報知器のようなものだなと思う。その警報に素直に従えばよくなると感じた!2022/12/10
はたっぴ
73
整体指導師である野口先生の風邪の対処法をまとめた著書。読友さん(ちゃかちん)のオススメもあり、自分の体を知るつもりで熟読。養命酒を飲んで風邪知らず…などと自慢している場合ではなかった。風邪を引くことで体の弱っている部分が改善するというではないか。施術については簡潔にレビュー出来ないが、昨年、四十肩(五十肩?)で生活全般に支障を来した半年間、鍼と整体に通いやっと復活した私にとり、隅々まで納得のいく内容だった。水分補給の仕方や体の冷え、お風呂の効用など多岐にわたり丁寧に解説されている。常備しておきたい一冊。2016/02/27
団塊シニア
55
風邪というのはたいてい自然に治る、あまりいろいろなことをしないのが一番、体は丁寧に洗いすぎると皮膚の排泄力は弱まる等整体用語を交えての健康法は参考になります。2014/10/17
Y2K☮
32
大切なのは弾力性。身体のどこかからそれが失われると風邪を引く。疲労の溜まった箇所をチェックし、偏りを改善して経過を見る。後頭部を温め、風邪が過ぎ去るのを寝て待つ(寝相は悪くていい)。無理に早く治すと別の部位に負担を掛け、だるさや不調が続く。全体のバランスを忘れない。風邪を引かない方がむしろ大病を患う危険が高い。あとは思い込み。健康な己を空想し、時には風邪も悪くない、むしろ体質を変えるチャンスと考えれば却って引かない。西洋医学的な外からの作用に依存せず、身体の持つ内なる治癒力を信じる。まずは猫背をやめよう。2018/02/17
よこたん
31
「風邪をちゃんとひく」こういう発想は全く持っていなかったので、とても興味深かった。常日頃、風邪をひかないように、ひいたかなと感じたら直ぐ薬を飲んで遠ざけることしか考えていなかった。確かに、風邪で寝込んだ後、長らくグズグズ引きずっていた身体の不調も、毒が抜けるように一緒にどこかへ去ってしまうようなことがあった。だが、こじらせずにうまくひくのも難しそう。整体に関することは専門的すぎてわからなかったが、身体の冷えをためないこと、お風呂の入り方、そして水分補給の大切さはよくわかった。2016/04/02