ちくま文庫
プルースト評論選〈1〉文学篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 526p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480037510
  • NDC分類 954
  • Cコード C0198

内容説明

20世紀文学の最高峰『失われた時を求めて』全7篇の小説家プルーストはまた、たぐい稀な批評家でもあった。ヨーロッパの長い文学的遺産の上に立って同時代に透徹した眼をむけ、対象に潜む美と真実を的確に捉えた卓抜な評論を全2冊に収める。1は独創的なネルヴァル、ボードレール、バルザック論を含んだ、“小説”の創作につながる『サント=ブーヴに反論する』を軸とする文学論を集成。

目次

サント・ブーヴに反論する(序文草案;サント=ブーヴの方法 ほか)
文体とその周辺(フローベールの「文体」について;ボードレールについて ほか)
作家論断章(ジュール・ルナール;アンリ・ド・レニエ ほか)
自作を語る(プルーストによる『スワン』解説;一九一五年末ごろのプルーストによる小説続篇の解明 ほか)
書評・断章(ド・ノアーユ伯爵夫人著『眩惑』;詩的創造 ほか)

著者等紹介

プルースト,マルセル[プルースト,マルセル][Proust,Marcel]
1871年7月10日、当時のパリ郊外オートゥイユに生まれる。1922年11月18日、没

保苅瑞穂[ホカリミズホ]
1937年生。独協大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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夜間飛行

53
プルーストはネルヴァルを発見した後、自作の構想の核として夢や回想を用いた。また、ボードレールの詩に在る苦痛に共感した事も創作の糧となったようだが、そのさい偉大な天才がただの凡人である例、つまりベルゴットやヴァントゥイユの先例をボードレールに見ている。一方《バルザックには文体がなく羅列・説明するだけ》と言いながら、人物再現法(による時の重層)から迫真性が生じる事に目を向け、フロベールの省略法に「時の美しい空白」を見出した。先輩作家達をしゃぶり尽くすようなこの貪婪さ…サント・ブーヴを許せない気持もわかるなあ。2016/04/07

コウ

2
文学の巨人プルーストの、しかも評論選となったら読むっきゃないでしょ^^ところが入手困難。でも、しっかり手に入れました^^で、安心しちゃって、なかなか読まなかったんですね実は。ところが、これはとんでもない本でした。生前未発表だったこの本所収の評論が、あの『失われた時を求めて』に結実して行くんですよ。「無意識の記憶」という方法論……。ふうむ。★★★★☆2008/07/16

ほたぴょん

1
未完の評論「サント=ブーヴに反論する」を中心に、文体論や自作『失われた時を求めて』について語った断章などを収録。「サント=ブーヴに」は、読んでいて小林秀雄の「社会化された『私』」に通じる問題意識のあり方を感じて興味深かった。なるほど、フランスでもかつてこういう議論はあったのか、と謎の感動。文体論は、プルーストの小説感を考えるなら避けては通れないものなのだろうけど、原文あってこそなのではないかなあと思えて少し退屈に覚えた。 2016/10/17

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