内容説明
泰淳夫人の色、詩人の色、秘密の色…『富士日記』『犬が星見た』『日日雑記』など秀れた文業を残した武田百合子の本当の色とは?鎮魂の思いを込めてその生涯を様々なアングルから探る傑作評伝。
目次
第1章 百合子さんは何色?
第2章 喫茶店「ランボオ」の色
第3章 色のなかの色
第4章 泰淳夫人の色
第5章 詩人の色
第6章 秘密の色
第7章 百合子さんは何色?
著者等紹介
村松友視[ムラマツトモミ]
1940年東京に生まれる。慶応義塾大学文学部を卒業。1963年中央公論社に入社。『小説中央公論』『婦人公論』『海』編集部を経て、1981年退社。在社中の1980年に『わたし、プロレスの味方です』を刊行。1982年『時代屋の女房』で直木賞を受賞。1997年『鎌倉のおばさん』で泉鏡花文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぞしま
15
在りし日の武田百合子さんの書いた詩や、手紙が読める、もうそれだけで素敵な本、ファンならば必読かも。かたや、こういった本はどうしてもスキャンダラスになりがちで、まぁまだ良心的な書かれ方なのだろうか。泰淳、百合子夫妻は、夫婦の理想の一つだと、つくづく思う。2015/03/03
量甘
7
百合子さんの若かりし頃のエピソードや学生時代の詩を読むことができた。著者が辿り着いた「詩人の魂」に触れ、また新たな視点で百合子さんの作品を読み返したくなる。表紙のブローチが印象的。2020/12/15
ハチ(=^・^=)
2
武田泰淳が百合子さんと出会えたことは、本当に幸せなことだったと思います。彼は、百合子さんが1回に留まらなかった堕胎を抵抗せずに行ったこと、その心の奥の思いを少しでも分かっていたのでしょうか。百合子さんの闇は、恐ろしく深くて広い。だからこそ邪気を持つ必要がなかった、そして何もかもを受け入れられていた、そんな感じがしました。僭越ながら、百合子さんのような女性になりたい。とてもなれそうにもないけれど、こんな素敵な女性がいたんだよということが、女の素晴らしい可能性を示してくれて、勇気となりました。2015/10/17
Mandragoremi
1
著者のスタイルは少し俗っぽく、時代を感じる箇所も多々あったけれど、百合子さんの人生を改めてざっくり知ることが出来、また、彼女の全作品を読み直そうと思っていたところなので、新たな読み方、視点を得られたように思い、◎2019/01/19
pittama
1
美しい酒が凍るのは きつとこんな夜かもしれない2014/11/09