内容説明
科学の時代への扉が大きく開かれた頃、最新の知識や技術は人々の好奇心と想像力をかきたてていた。未来は限りない可能性を秘め、その前で畏れと憧れに身を震わせる作家たちがいた。19世紀後半から20世紀初頭にかけて書かれた空想科学小説の傑作を集めて、当時の人々が思い描いた壮大な夢の跡をたどる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
14
てっきりヴィクトリア朝時代を舞台にしたアンソロジーかと思ってたら、その当時の作家のアンソロジーでした。 古さは否めないけどなかなかのセレクトで、よくぞ探してくれたと感謝感激です。 宇宙へ行く話もあればもっと良かったけど、まさにSFというよりも空想科学小説がピッタリ。 395ページ 2016/10/16
ヴィオラ
6
内容的には、未知の物への恐れだったり不安だったり、決して明るい未来を想像できるものでは無かったりするんだけど、「明日には何か新しい発見があるかも?」っていう時代の雰囲気は、やっぱりワクワクする。キプリングとロンドンが入ってたんで買ったんだけど、他の作品もなかなか楽しかった。2013/01/31
なつきネコ
5
ロンドン市の運命の日に、振動エーテルなんたらと言う一文があるけど、相対性理論で否定されてたもので、未来新聞ではアインシュタインと言う名前があり。最初の発表は1905年だから、この短編集は相対性理論に以前から、以後の時代が見える。まぁ、それをおいてもなかなか、面白い奴とスゲェわけわからないの二つが別れる。特に名に恥じずコナン・ドイルや、H.G.ウェルズは面白かった。 テムズ・ヴァレイの大災害は迫力と、登場人物の感情や観察が魅力的だった。2013/09/12
さくら餅
2
ちょっと読みにくいものもあったけどなかなか面白かったです。現代でも通じる話が結構多かったので100年ほど前でも空想科学の考え方はさして変わらないのかもしれませんね。2013/09/09
Yoko Narano
1
今読むと他愛ない話も多いけど、この時代のイギリスやロンドンの雰囲気を感じられる。最後のH.G.ウェルズの短編が一番面白かった。先見の明もあるし、ブラウンロウ氏に味があって。1971年どころかそれから40年経っても、世界平和と統一は訪れていないけど、さらに40年後には…そのまた40年後には、いつかきっと…と考えさせてくれた。2014/11/26