内容説明
神々は英雄と結婚し、英雄はまた妖精の恋人に…「幻の民」ケルトの人びとが伝え残した神話のかずかず。目に見えぬ世界「常若の国」や、目に見えぬ種族・妖精たちの存在を信じていたケルトの人びとの想いが今に甦える。ケルト文化の理解に欠かせない1冊。
目次
1 「天地創造神話」のない神話(地下から来た神々;国造りを見た男トァンの話)
2 ダーナ神族の神話(ダーナの神々;ダーナ神族と妖精と常若の国;トゥレン3兄弟の試練の旅;かゆ好きの神ダグダ;愛の神オィングスの夢;蝶になったエーディン;白鳥になったリールの子 ほか)
3 アルスター神話(赤枝の戦士たち;光の神ルーの子ク・ホリン;悲しみのディアドラ)
4 フィアナ神話(フィンとフィアナ騎士団;フィンと妖精サヴァ;妖精にたのまれた戦い;ディルムッドとグラーニャの恋 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
72
ケルト神話集。ケルト民族についてやケルトの成り立ちなど面白い。個別の神話については流し読みした。モノクロではあるが写真があるのが良い。2020/10/28
イプシロン
38
世界にある様々な神話を読んできたが、一番好みなのがこのケルト神話であったりする。いわゆる戦士や英雄、王や王女も出てくるし、血生臭い死んだ、殺したはもちろんあるのだが、ケルト神話はベースに輪廻転生があり、割と誰も不幸にならないのがいいのだ。何度も生まれ変わるうちに、地上世界から追いやられてゆくが、最後は地底や海で妖精となって楽しく暮らしてるとなるのがいいのだ。残念なのはケルト人たちはほぼ文字をもたなかったので、正確な形で神話や民間伝承が残ってこなかったであろう部分だ。が、アーサー王伝説のベースになったり、2021/05/04
kaori
38
神話シリーズ第2弾。ケルト神話は天地創造がないというのには驚いたが、特に興味深かったのは変化と誓約。例えば一人の男が猪から鷹、鮭へと変化を繰り返すという、いわば輪廻転生を思わせる物語が多い。もうひとつの誓約(ゲッシュ)は王や英雄が自分自身に課す禁制や誓いのこと。それを破ることは不吉で不名誉であるため守り通さねばならないが、それ故に不幸な運命とつながることも多い。例え不義と分かっていても守り通すのが騎士道というものなのか。神と妖精、人が深く関わり合い織り成された物語は優美で幻想的であり、とても面白かった。2015/05/09
兵士O
24
大昔、オリジナルのPBMの世界設定を作った時に、一神教化されている大陸の帝国と、今のブリテン島のようなまだ自然崇拝が残っている先住民族の辺境の島の地図を作ったことがあります。史実のブリテン島でローマ軍に反乱を起こしたケルト民族の女王ブーティカの逸話で着想を得た企画でした。あの時はケルト神話のことを殆ど知らなかったのですが、この本を読むと、ケルト人の自然観というのが具体的に分かりますよね。特にこの神話の中の女神や女王って自分をしっかり持っているので、この企画を仮に刷新する時は、そんなヒロインを作りたいです。2021/09/23
きーみん
20
オグマ、エスリン、イルダーナフ、ゲーム好きなら聞いた事のある名前がどっさり出てくると思う。そしてイルダーナフが「何でもできる男」という意味だと知ったり、ダグザ(良い神)の大釜は他郷(アザ・ワールド)へ通じているとか、どっかのゲームや小説の発想起源はここかも!?と思えるものばかり♪神話の中でもケルト神話はかなり面白いと思う。2010/11/21