出版社内容情報
インドネシア人初の日本留学生たる二人は独立の志士。戦前から戦後にかけて「親日」と「反日」の間を揺れ動き、壮絶な人生を送った彼らと日本人との交流を描く。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ahmad Todoroki
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インドネシア独立運動家の中では傍流或いは脇役とされてきたミナンカバウ出身の二人、ウスマンとガウスを取り上げた本。関連書を既読なので、興味深い挿話が沢山出てきてそれなりに面白かったが、全体の構成に難がある。ガウス本人の回想録とウスマンの妻長田周子(露子)の回想録が主なソースだが、その検証が十分とは言い難い。知られざる日イネ間のサッカー交流など、もっと的を絞ってまとめた方が良かったのではないか。注釈が的確であり、林さんの問題意識にも大いに共感できるだけに、総合評価としては少し残念な出来栄えです。2023/06/16