出版社内容情報
行政法研究者のなかでも自治体職員に寄り添い条例論の研究と教育にまい進してこられたお一人である北村喜宣氏の還暦を記念し、薫陶を受けた次世代を担う研究者が自治立法権の考察を深め、その現代的論点を解説した論稿を収録。
本書は、都市・環境分野の新しい問題を切り口として、条例制定の可能性をめぐる議論を整理し、現代的課題に対応する「自治立法権」理論の再構築と深化を目指した点にもっとも大きな特徴がある。読者にとっては政策法務全体の理解を深めるだけでなく、現時点における自治立法の理論的到達点を知ることができる。
目次
第1部 一般理論編(条例制定の根拠・対象・程度;法律規定条例の法律適合性審査;裁量基準の条例化に関する諸論点;独自条例の実効性確保―過料を中心に;条例による「総合性」確保;条例の法的に要請される制定過程―提案部局と関係部局との調整に注目して)
第2部 個別法政策編(建築基準法の適用除外運用に見る自治立法の可能性と正当性―条例制定の「余地」と「根拠」に着目して;廃棄物処理施設の設置に係る自治体事前手続(紛争予防条例等)の発展可能性―NIMBY症候群をどう理解し、どう対応するか
原子炉稼働を規律する条例の可能性―災害リスク管理の観点から
文化財保護条例の課題―平成30年文化財保護法改正に寄せて)
特別寄稿 北村条例論の来し方・行く末
第3部 条文・判例資料編