内容説明
その道に入らんと思ふ心こそ我身ながらの師匠なりけれ―茶道具・お点前の心得から茶の湯の心まで、利休居士の教えを和歌であらわした利休道歌を、筆者の豊かな茶の湯の体験を通して一首ごとにわかりやすく解説する。茶の湯を志す方々への心の一冊。
目次
その道に入らんと思ふ心こそ我身ながらの師匠なりけれ
ならひつつ見てこそ習へ習はずによしあしいふは愚かなりけり
こころざし深き人にはいくたびもあはれみ深く奥ぞ教ふる
はぢをすて人に物とひ習ふべし是ぞ上手の基なりける
上手にはすきと器用と功積むとこの三つそろふ人ぞ能くしる
点前には弱みをすててただ強くされど風俗いやしきを去れ
点前には強みばかりを思ふなよ強きは弱く軽く重かれ
何にても道具扱ふたびごとに取る手は軽く置く手重かれ
点前こそ薄茶にあれと聞くものを麁相になせし人はあやまり
濃茶には点前をすてて一筋に服の加減と息をちらすな〔ほか〕
著者等紹介
阿部宗正[アベソウセイ]
1931年、仙台市に生まれる。1953年、裏千家今日庵に入庵。現在、裏千家業躰、社団法人茶道裏千家淡交会理事。業躰として講習会、研究会等を通じ全国社中の指導にあたる。また、裏千家学園で実技・講義を指導
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