内容説明
本書は、折口信夫精神の後継者であり、現代を代表する歌人である著者が、昭和という時代を多感に生きぬいた魂の軌跡を、身辺のくらし、さまざまな文学者との出会い、大和や韓国への旅のおりおりにつづった名随筆集。
目次
蜃気楼
水晶の谷
幼き盆
山見岩、潮見岩
失なわれた感覚
生きとし生くるもの
春の時雨
猫の子
丘の彼方の尖塔
父の国
先生がなにえらかろか
開戦の日の夜間伝令
木のいのち
命がけの美食
源氏・谷崎・折口
花にこがれる魂―山本健吉氏を悼む
やわらかな心―池田弥三郎さんをしのぶ