内容説明
古代より、人間に愛され、恐れられ、聖化された動物約400をとりあげ、そのシンボルとしての起源、伝承、神話的意味を明らにかする。神話、図像学、絞章学、占星術、呪術、絵画、文学など広い分野を対象としている。興味深い想像上の動物・幻獣の図版300余をそえた。見出し項目の動物名を50音順に配列し、対応するフランス語、英語名を付した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梟をめぐる読書
18
プリニウスの『博物誌』やイコノロジー解釈系の事典が好きで、昔からこの手の本は色々集めてきたのだが、こと動物に関してはこれ一冊だけで十分に事足りるのではないだろうか。そのぐらい、類書中でも例の無い充実度を見せている。「鸚鵡」から「八ツ目鰻」まで項目は多岐に分かれ、とりわけ西洋の魔女信仰と関わりの深い「山羊」に関しては「牡山羊」「牝山羊」「子山羊」の三項目に分化するほどの力の入れよう。その日の気分で適当なページを開いて無為の読書に耽るも良し、澁澤龍彦的な博識に支えられた文章のタネ本にするも良し。図版多数。2014/10/05
misui
10
神話や伝承の世界には人間の思いもよらない動物が無数に棲んでいる。現実に生きて存在するものもいるし、中には想像力によって創りだされた異形の怪物もいる。本書はそうした動物シンボルの数々を、それが象徴するところは何なのか、どのように想像されてきたのかを、事典の形式で集大成する。といってもさほど堅苦しくはなくて動物綺譚集として気楽に読める。西欧を中心とした選と解説とはいえ、図版の充実ぶりはまことに目を見張るほど。折々参照していきたい。2013/02/19
獣狼ZAKI
1
世界中の動物を使ったシンボル事典。値段はかなりするが本来の原書の絵が見られます。でも幻獣や悪魔に詳しい方々が読むとよく見かける絵柄に不満を感じるのかもしれません。2010/10/20