出版社内容情報
おそるべき読書の果てに盲目となったアルゼンチン国立図書館館長、ホルヘ・ルイ ス・ボルヘス。晩年をオルレアン図書館長としてすごした、『眼球譚』『エロティシズム』などの著者ジョルジュ・バタイユ。刑務所の図書館の本を読みまくり、獄中で『花のノートルダム』や『薔薇の奇蹟』を書き上げたジャン・ジュネ。江戸の貸本 屋「大惣」を今の図書館代わりに利用して、弁当持ちで通い、その蔵書を全部読んで し >まった少年、坪内逍遥・・・。図書館の大いなる愛好者であった文学者、出版者はかず知れない。「図書館の蔵書 がよかったから」、彼等はその蔵書に驚き、十分に満足し、読み、勉強し、慰安し、 そして書いた。本書は奇人とか、変人とか、天才と呼ばれた文学者たちの、図書館に対する強い執着と愛情を中心に記した図書館讃歌である。
1.図書館大会の風景 2.ある図書館長の死 3.悪魔とよばれた図書館長
4.コミックのなかの図書館 5.発禁本図書館 6.亡命者と図書館
7.CIE図書館 8.山中共古と図書館 9.燃える図書館
10. 円本と図書館 11. 古本屋、限定本、図書館 12. 大橋図書館
13. 江戸時代の文庫 14. 貸本屋と図書館 15. 図書館員と批評家
16. 菊池寛と図書館 17. 私立図書館の時代 18. 永井荷風と南葵文庫
19. 砂漠の図書館 20.贈与としての図書館 21.財閥と図書館
22 .モネ船長と図書室 23. 死者のための図書館 24 .戦争と図書館
25.地震と図書館 26. 図書館長とアメリカ社会学 27. SFと図書館
28. アニメーションのなかの図書館 29. 図書館での暗殺計画
30 .ハードボイルドと図書館 31. 出版社と図書館
32. 現代風俗の場所としての図書館 33. 図書館と出版(1)
34.図書館と出版(2) 35.悪魔学と図書館 36. 黒死館と図書館
37.探偵小説のなかの図書室 38. 『嘔吐』と図書館 39.小学校と図書室
40. 写真のなかの文学館 41.思議図書館と幻想図書館の司書
42.図書館で書かれた小説 43. 古書目録と図書館
本書は小田光雄さんが書き下ろした図書館に対するオマージュです。10編書き上がるごとに郵送していただきました。電車の中で読み耽り、時間も空間も忘れ、しばしば乗り越してしまいました。大藪春彦、ジュール・ベルヌ、エドマンド・ホワイトなど、この原稿に触発されて読んだ作家もありました。濃い中味。小田さん自身も「愛着のある1冊になりそうだ」とポツリ。小社としては珍しく上製(ハードカバー)で勝負する、おすすめの1冊です。
感想・レビュー
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