内容説明
基礎と応用および理論と実践の両面から、現代固体物理学の立体像をバランスよく描いたテキスト。前半７章で化学結合、結晶構造、格子力学、バンド理論の枠内での電子物性など、伝統的な１電子近似の固体論が系統的に記述され、後半の５章で、最近とくに発展著しい磁性や超伝導および半導体物理などの分野が詳しく解説される。
目次
１ 固体における化学結合
２ 結晶構造
３ 周期構造からの回折
４ 結晶中の原子の動力学
５ 熱的性質
６ 固体中の自由電子
７ 固体の電子バンド構造
８ 磁性
９ 電子の運動と輸送現象
１０ 超伝導
１１ 物質の誘電的性質
１２ 半導体
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruki
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最近改訂版が出版されたが、固体物理学の復習で読む。主な内容は、結晶構造、格子構造、自由電子の熱統計的性質、バンド構造、磁性、電子輸送、超電導、物質の誘電的性質、半導体を扱う。実験的性質と、それを説明するための量子力学ベースの簡単な式表現による解釈がセットになっていて、原子と電子が持つ多体系としての多彩な性質の概念的な理解ができ、次に進む素地となる。フェルミエネルギーにある電子の温度やスピンが変化することで、波動関数の存在確率に影響を与え、さらに時間空間応答としても特色が出る。そんな物理の巧緻を垣間見る。2022/08/15
