内容説明
本書は、明治という新たな時代の展開のなかで秩序構想をめぐって格闘した4人の思想家(福沢諭吉・徳富蘇峰・中江兆民・幸徳秋水)の言説構造を浮かび上らせ、現代の政治哲学の新たな地平に向けて展望する、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。
目次
第1章 「独立」と「情愛」―福沢諭吉と市場社会
第2章 青年期徳富蘇峰における道徳と経済
第3章 中江兆民における道徳と政治―「近代的政治思想」とは何か
第4章 幸徳秋水における伝統と革命
補論(独立・官吏・創業―明治政治思想史における「政治家」と「官僚」;経済的繁栄のなかの「市民」理想―『富と美徳』をめぐって)