憧憬の神学―キリスト教と現代思想

憧憬の神学―キリスト教と現代思想

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  • サイズ B6判/ページ数 197,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784423301159
  • NDC分類 191
  • Cコード C1016

内容説明

人間が手に取るものは必ず消滅する。ゆえにそれは本質的な意味では現実的でない。人間にとって本当に現実的であるものは潜勢態、つまり憧憬としてのみある。現代の徹底した相対主義の中でなお、われわれが絶対なるものに触れうるとしたら、それはどのようにして可能か。著者は相対を脱することなく、相対であるという有りようそのものによって人間は絶対に通じているとする。この二重性の現実を、絶対無と神との関係から信即不信の境地として示し、イエス伝学の考察を通して近代的学問の真理論的反省を論ずるとともに、全体性の回復を試みるニュー・サイエンスの動向に着目して、学問と神秘、事実と意味の関係を解明する。さらに、途上の生という人間理解に基づき、その未完結性に徹するがゆえに可能な、他者理解と宗教間対話の場を探求する。キリスト教神学のみならず、現代における宗教の意義、現代思想や知識論の課題に関心をもつ読者に新鮮な驚きをもたらす好著。

目次

第1章 序説・絶対無と神
第2章 憧憬ということ
第3章 憧憬とネオ・ロマンティシズム
第4章 神秘と学問
第5章 科学と宗教
第6章 宗教と芸術
第7章 日本文化とキリスト教

著者等紹介

小田垣雅也[オダガキマサヤ]
1929年東京に生まれる。1959年青山学院大学神学科卒。1964年同大学院博士課程修了。1969年ドルー大学大学院卒、Ph.D.元国立音楽大学教授
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感想・レビュー

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hajimemasite

2
まだ理解が足りない面も大きいが、一応の読了。現代思想の問題点や近現代の思想による神学批判を受け入れながら、東洋哲学などの観点も踏まえながら、宗教というものの現代的な成立要因などを分析し、そこに憧憬を見出し、故に憧憬の神学と成した…という話だと思うのだが、あまりのも膨大な専門用語と専門概念に押しつぶされ、作品自体の理解が限定的でちょっと自信なし。神学と現代思想をきちんと両者を使い読み解く姿勢、神学の弱さをきちんと認める点、それでいて現代思想の弱さに挑戦する点、そしてニヒリズムに立ち向かう点などは評価したい。2017/11/10

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