出版社内容情報
【解説】
トロイアの遺跡を求めて,莫大な財産を発掘につぎ込み,古代史を書き替えるほどの成果を上げる。情熱と奇行の人シュリーマンの生涯を追いつつ,ギリシア神話の世界へと誘う。
目次
第1章 創作された自伝
第2章 商人としての成功
第3章 夢に向って
第4章 甦るギリシア神話の世界
第5章 古代への情熱
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろのあ
0
上の世代の方は美しい夢をもってシュリーマンに憧れていたようなのですが、私はこれが初読みなので、これはこれでよかったです。ずるさ、したたかさ、遺跡破壊などのむちゃくちゃ、妻にうっとおしい態度を取る。などなど含めてやはり偉大な人だと。外国語を習得する過程、ビジネスマンとしてのし上がるところ、自己宣伝の巧みさなど感心させられます。2012/09/10
さわな
0
小学生の頃に読んだシュリーマン関連の本もズルさや虚言、うっかり含めた遺跡の破壊等の情報が含まれていたのでシュリーマンに対する印象としては変わらず。 写真、イラストが多く挿入されている本なので、そういう資料を探してる、好きな方には向いてるのかもしれない。 文が少ない分、やや簡潔・早足な説明になっていて私は物足りなかった。2022/04/07
Book shelf
0
『古代への情熱』の自伝はシュリーマンと親密な親交のあった人たちによって書かれたものであったのに対し、本書は完全に一歩引いた目で実際にはどうだったのかということが指摘されています。 とはいっても一方的な批判を展開するのではなく、当時の発掘が学術的なレベルに達していなかった状況や、どうであれ誰も見つけられなかった遺構や遺物を発見したのは紛れもなくシュリーマンであり、そこからギリシアの青銅器時代やエーゲ海の原史時代の研究が開けたという意味で一定の評価がされています。2011/08/02