出版社内容情報
【解説】
AD79年ベスビオ山の噴火の灰はポンペイの街を一瞬のうちに覆いつくした。当時の庶民生活が灰の下に完全な形で保存され,後世の芸術や考古学に大きな影響を与えたのである。
内容説明
AD79年のベスビオ火山の噴火は、本来なら消え去る庶民生活を完全に保存し、後世の芸術や考古学に大きな影響を与えた。奇跡の町ポンペイの日常生活や発掘史を豊富な図版とともに生き生きと再現。
目次
第1章 甦った「奇跡の町」
第2章 滅亡までの歴史
第3章 ポンペイで働く
第4章 ポンペイの女たち
第5章 ポンペイの娯楽
第6章 ポンペイの信仰
第7章 ポンペイ、その愛と死
資料篇―滅亡と復活の歴史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
359
ローマ帝国時代の遺構は、フォロ・ロマーノやコロッセオ、ローマから僻遠の地のオランジュの劇場やセゴヴィアの水道橋など幸いにも多数が現存している。にもかかわらず、ポンペイの価値はそれらを上回りさえする。なにしろ、街がスッポリとそのままの形で残されたのであるから。2000年前の人々の暮らしを様々な角度から考察したり、想像したりすることができる。本書によれば、発掘は早く1709年から始まったらしい。もっとも、残念ながら初期には調査というよりは、宝探しの様相を呈していたようだが。ポンペイの街路をぜひ歩いてみたい。2022/03/07
KAZOO
149
ポンペイは昔、ナポリやアマルフィを見学にいった時にゆっくりと見て回りました。昔の背活の場がそのままに保存されていて色彩もそのままあるいは修復したのでしょうが印象に残りました。この本にはかなり詳しくそこのところが分析されていて写真やカラフルな資料とともに参考になります。事前に読んでおけばもっと楽しめた気がします。2017/03/22
あきあかね
26
紀元79年8月24日。ヴェズヴィオ山の噴火により、火山灰の下に人びとの日常の生活が飲み込まれた。かまどの中に残されたパン、居酒屋のテーブルの上に置かれた客の払ったコインなど、2千年も昔の時を閉じ込めたタイムカプセルのようなポンペイの街は、人の気配はあるものの乗員も乗客も消えたメアリー・セレスト号のように、どこか怖ろしさを湛えているように感じられた。 それはやはり多くの人びとが命を落としたことにあるだろう。東京国立博物館のポンペイ展でも、様々な華麗な装飾品や工芸品、絵画は素晴らしかったが、⇒2022/02/20
みけ
15
火山噴火の為一夜にして滅んだ古代ローマの都市ポンペイ。火山灰によって保存されていた紀元79年の生活は想像した以上に豊かで賑やかでした。エジプト神イシスの神殿とギリシア・ローマ神のアポロやユピテル神殿、神格化されたローマ皇帝の神殿が同じ区画にあり、いろんな信仰が矛盾無く存在していて、お風呂好き。なんとも親近感のある国民性。壁に残る落書き、銀貨が入ったままのお財布にカマドの中に残されたままのパン。生活がそっくり閉じ込められていました。2018/11/06
財布にジャック
9
ポンペイには二度訪れたことがありますが、ポンペイのことを思い出しながら、読みました。本当に題名のとおり奇跡の町です!!2010/04/12