内容説明
自由民権運動に遡ること半世紀。信州は、塩の道・千国街道。北アルプスの美しい自然を背景に、牛方たちのたたかいを、謎解きありスリルありで描き切った、大人から子どもまで読める物語。
著者等紹介
岡崎ひでたか[オカザキヒデタカ]
1929年生まれ。日本ペンクラブ会員。日本児童文学者協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りえこ
10
信州北アルプスで働く「牛方」たちの物語。昔の人の一途な生き方に、はっとさせられました。食べる物もない時代に生きるのは大変なこと。「残さず食べましょう」と言える時代はやはり豊かなんだろうなぁ。2009/05/20
クロネコバス
8
信州塩の道で、糸魚川から松本までの荷を夏期は牛が、冬季は人力(ぼっか)で運んでいた時代の話。どん百姓が頑張っても腹がふくれるほど食べる事もできず、凶作が続けば、産まれた赤子や年寄りも口べらしで捨てなくてはいけない。貧しいぼっか達が悪徳商人、役人に立ち向かうのだが、人間ドラマ中心で、荷抜けの計画、実行は軽めになってしまっていたのが残念。実話ベースだそうです。
aoi
4
図書館で、地元長野を題材にした話だったので借りてみました。苦しい暮らしを強いられてきた農民たちが、いよいよどうにもならなくなって、みんなで立ち上がっていく。こういう話を読むと現代の暮らしは贅沢と感じるけど、そのころと比較して単純に幸福とも言い切れないところが難しい。読んでいる最中に作者の訃報を知りました。御冥福をお祈りします。2016/05/06
k-umi(くみ)
2
農村の厳しい暮らし、塩の専売など、当時こういうことがあったのかと驚いた。ラスト付近はややばたばたした印象2015/03/31
しぇるぱ
1
牛方26人が連帯して、運ぶ荷物を荷抜けして、それを元手に専売品の塩などを安く売ることにしました。問屋側にしたら、横領であり泥棒であるわけです。牛方としては、押し借りであり、年賦返済を約定にした売買行為であるわけです。他方、百姓仲間では一揆が盛り上がり、何万もの百姓が一揆に集まります。時は幕末、場所は糸魚川から松本へかけても塩街道の沿線です。ヒーローには、牛方の少年を配したり、死んだはずのお父が一揆のアジテーターだったり、それが主要人物です。松本藩が塩を専売にしていて、魚津の問屋が藩の役人と結託して、売値を2011/05/06