西郷の貌―新発見の古写真が暴いた明治政府の偽造史

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396614133
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0021

内容説明

歴史作家・望月真司は、一枚の古写真に瞠目した。「鳥津公」とされる人物を中心に、総勢一三人の侍がレンズを見据えている。そして、その中でひときわ目立つ大男…かつて望月が「フルベッキ写真」で西郷隆盛に比定した侍に酷似していたからだ。この男は、若き日の西郷なのか?坂本龍馬や勝海舟らと違い、西郷を写した写真は現存しない、とされている。よく知られた西郷の肖像は、彼の死後、外国人が描いたものだ。「一三人撮り」の大男が西郷だとしたら、この写真はいつ、何のために撮られたのか。謎を解明すべく、望月は鹿児島へ飛んだ。明治維新の中心人物たちと「南朝」を結ぶ糸、西郷と公家の関係、武器商人・グラバーの影…望月は、次々と驚愕の事実に直面する。

著者等紹介

加治将一[カジマサカズ]
1948年、札幌市生まれ。米国でビジネスを手がけ、帰国後、執筆活動に入る。明治維新の裏面を描き、坂本龍馬暗殺犯を特定した『あやつられた龍馬』(文庫版は『龍馬の黒幕』と改題)など、歴史のタブーを破りつづける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ちさと

25
歴史は勝者の物語である。これは変えようのない事実。本書は「本当の西郷の顔は残されている肖像画や銅像とは全く違う」をメインテーマに、混乱の明治期の陰謀、幕末志士の策略を暴いていくミステリー小説です。えっと驚く断言もあって歴史に明るい方にはトンデモ本に見えなくもないですが、作者の主観が織りなすフィクションとしてとてもおもしろく読めました。ただ結局なぜ西郷の顔が隠されなければならなかったのかが私にはよく分からなかった、、。2022/11/27

とも

25
★★★★過去の作品の焼き直し感が少々あるものの、やはり面白く一気読み。「西郷の顔」を追い求める作品ではあるが、そこから明治維新の志士たちや幕府、大名、公家たちの表と裏の顔やつながり、そこに巣食う外国人宣教師たちとの関係などなどが明らかにされる。そもそもの疑問であった、なぜ当時20代そこそこの下級藩士たちが日本を動かせたのか、公家や殿様などと会うどころか、彼らを動かすことが出来たのかも一機に氷解してくれた。ただ少々不安なのは、当作で6作目となるシリーズ、、これで終了するような終わり方が気になる。2018/03/07

シュラフ

11
"歴史は時の為政者が都合よくつくり出すもの"とはよく言われる。この小説では、現在 我々が信じる西郷さんの顔もつくり出されたものだいう。だが、話が南北朝時代、さらには大和朝廷の時代まで話が飛んでしまっていて、なにがなんだかよく分からず 結局 明治政府がどうして西郷の顔を変えねばならなかったのか という問題の核心点も自分はよく分からなかった。九段の靖国神社の博物館に幕末の西郷の手配書があるが、現在 我々が信じる西郷さんとまったく同じである。個人的には我々が信じる上野のお山の西郷さんは本物だと思っている。  2013/12/28

ばんだねいっぺい

9
眉唾にしても、自由な物の見方は、それだけで意味がある。 ニュー西郷の顔も凛々しくてよい。2015/09/11

maito/まいと

5
加冶さんの歴史ミステリーシリーズ最新刊。上斜めから袈裟懸けに斬りつけるが如くの論調・新説・そして解答へ至る展開は健在。ですが、説の重要性&危険性をにじみ出すためにミステリー小説風に構成する必要、あるのかなあ(前々巻あたりからそうですけど)ただ、歴史の教科書や定説をなぞり、補強する目線でしか、日本の歴史を見ていては、より大きな全体像を捉えることはできないことを、このシリーズは唱い続けている。例え枝葉であろうとも、興味や疑問を持ち続けることを忘れないようにしたい2012/05/04

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